財政健全化へ道筋 消費税先行指摘に古川大臣

2012年02月13日 11:00

 政府・与党は2014年4月に消費税率を8%に、2015年10月に10%にそれぞれ引き上げたい意向だが、古川元久国家戦略担当大臣は消費税引き上げが先行しているとの指摘に対し、12日のNHK日曜討論で「世界各国の財政への見方が厳しくなっていること」を指摘するとともに「財政健全化に向けた姿勢を示すこと、健全化への道筋をつけて、2年間でデフレ脱却に向け全力をあげていかなければならない」と語り、引き上げに理解を求めた。

 白川浩道クレディ・スイス証券経済調査部長は消費税引き上げはデフレとともに格差の拡大などを生むとして引き上げはすべきでないと述べた。

 また、消費税引き上げと一体として検討されている社会保障のうち、年金制度について林芳正自民党政調会長代理は政府が示している案では保険料率が15%となっていることから「自営業者の負担が増える」。また、全額消費税で賄う最低保障年金(月額7万円支給)は「保険料ゼロの方も7万円もらえることになるので、ますます保険料を払わない人が増えるのではないか」などと問題点を指摘した。年収360万円の自営業者でも年間54万円の保険料になるため、現行なら月額1万5020円の保険料が一挙に4万5000円と3万円増える。小宮山洋子厚生労働大臣は「払えばそれに比例した年金が受けられるようなる。出して損するだけでない」(6日の参議院予算委員会での回答)というが、そう簡単なものではなさそう。制度移行や負担と給付の関係が具体的に示されなければ国民には分かりにくい議論ばかりでなく、新たに不安をつくりだすことにもなりかねない。(編集担当:福角忠夫)