文大統領の対北姿勢 日韓メディアで伝え方に差

2017年11月24日 07:21

 訪韓中の公明党・山口那津男代表と韓国・文在寅(ムン・ジェイン)大統領との会談が23日あったことが日韓メディアに取り上げられているが、対北朝鮮への取り組みに対する報道では圧力強化への文大統領の姿勢に、韓国メディアと日本メディアで伝え方に温度差がみられている。

 韓国の聯合ニュースは「文大統領は『緊張が過度に高まらないよう、状況を安定的に管理することが必要だ』と述べ、日本側が求めている米国を交えた3カ国合同軍事演習の実施に否定的な立場を間接的に示した」と圧力を高めることによるリスクの高まりについても慎重な姿勢を伺わせていることが伝わる内容になった。

 山口代表の姿勢について聯合ニュースは「北朝鮮の弾道ミサイルが今年2回、日本の上空を通過し、国民の不安が大きいとして、国際社会が結束して北朝鮮への圧力を強め、北朝鮮の態度を変えることが重要だと強調した」と伝えた。一方で、3カ国合同軍事演習についてどのような反応を見せたのかは伝えていない。

 NHKは「山口氏は北朝鮮への対応について『日韓、そして日米韓が結束し、国際社会が連携して圧力を強め、北朝鮮の側から『話し合いをしたい』という対応を引き出すことが大事だ』と指摘した」と伝え「文大統領も『結束して圧力をかけていくことが大切だ』と述べた」としている。

 また産経新聞は「文大統領は『圧迫・制裁の強度を最大限にすることが大事だ。さらなる挑発をした場合には、さらに圧力をかけるべきだ』との認識を示した」と取材記者の受け止めを伝えている。

 これらの国内メディアの報道では「緊張が過度に高まらないよう、状況を安定的に管理することが必要だ」との文大統領の考えは見えてこない。(編集担当:森高龍二)