安倍晋三総理は相次ぐ米軍ヘリの事故に対し、日本共産党の志位和夫委員長が政府の対応を質している最中に「いったい何人死んだんだ」と野次を飛ばし、翌日に内閣府副大臣を引責辞任した松本文明議員(自民)の発言について、30日の衆院予算委員会で、同党の赤嶺政賢議員に質され「沖縄のみなさん、国民のみなさんに対し深くお詫びしたい」と陳謝した。
安倍総理は「沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、基地負担の軽減に全力を尽くす。これが政府の一貫した方針。沖縄の基地負担軽減をはじめ各般の政策課題に、内閣としてこれまで以上に気を引き締めて取り組んでいきたい」と改めて気を引き締めて取り組むと答えた。
赤嶺議員は、この日の質問で、飛行高度の制限(住宅密集地では300メートル、その他では150メートル以下で飛行してはいけない)や制限速度、飛行禁止区域など航空機の運航を定めた「航空法」が日米地位協定実施での「航空法特例法」により米軍に対しては除外されていることをとりあげ「事故時に調査する根拠法がなければ調査も出来ない。米軍にも航空法を適用すべきではないか」と求めた。ボイスレコーダーの設置も義務付けられていない状況などを問題視した。
石井啓一国交大臣は「航空法は民間航空機のみに適用される国際民間航空条約などに準拠している。米軍機については適用が除外されている。見直しについては米国との調整を要するものと考える」と答えるにとどまった。
小野寺五典防衛大臣は「米軍も公共の安全に考慮を払う必要はいうまでもない。安全面に最大限配慮し、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう、飛行訓練に関しては必要に応じ日米合同委員会でさらに求めていきたい」と答えた。(編集担当:森高龍二)