生活情報サイト運営のオールアバウトが661名を対象に中古住宅購入に関する意識調査を実施。中古住宅のメリットは「手ごろな価格」75.2%。「建築会社を考慮する」65.4%。「耐震性など住宅性能」を重視54.7%。
政府は既存住宅(中古住宅)の市場活性化のため宅地建物取引業法の一部改正を行い、既に2017年4月にこれを施行している。また、不動産業者に一定の建物状況調査(インスペクション)を義務づける規定の施行日を18年4月1日に定めると閣議決定がなされている。
総合情報サイト「All About」を運営するオールアバウトは、中古住宅の購入を3年以内に検討した経験のある30歳以上の661人をサンプルに中古住宅購入に関する意識調査を実施した。
調査結果によれば、中古住宅の魅力について尋ねたところ、「手ごろな価格である」が75.2%と最も多く、次いで「立地条件がよい」が43.7%、「リフォームができる」29.5%、「広い」29.0%、「早く入居可能」28.4%と続き、価格面での優位性と立地条件が重視されていることがわかる。
中古住宅の不安点については、「隠れた不具合」および「設備の老朽化」が59.6%と多く、「リフォーム費用」52.6%、「耐震性などの住宅性能」45.1%と続く。
購入検討に際し不安を解消するために必要な基本情報以外の情報について尋ねると、「過去のメンテナンス・リフォーム履歴」が69.1%で約7割と最も多く、次いで「定期点検の結果」が64.6%、「耐震性能の有無」62.8%、「新築時の設計図や設備」55.4%と続き、9割以上の者がメンテナンス履歴や性能面における情報開示を求めている。
購入検討時に「建築会社を考慮したか」という問いに対しては、「考慮した」が31.0%、「どちらかというと考慮した」が35.4%、「どちらかというと考慮しなかった」21.2%、「考慮しなかった」12.4%で、65.4%の者が建築会社を考慮している。
建築会社を考慮する理由については、「品質が一定で安定している」が58.3%、「耐震性など住宅性能が高い」が54.7%などとなっている。また、検討した建築会社を訪ねたところ、「ハウスメーカー」が77.4%で圧倒的に高く、次いで「ハウスビルダー」が46.0%、「地場工務店」が27.3%、「設計事務所」14.4%、「その他」0.7%となっている。
中古住宅では様々な見えにくい不安材料が存在する。この不安を解消するために消費者は建築会社の品質管理や性能面などの信用で購入の検討を行っているようである。消費者の不安を解消するような十分な情報開示が中古市場活性化には必須であると言える。(編集担当:久保田雄城)