男性は「仕事優先」、女性は「育児優先」。男性の育休取得12%

2018年03月29日 06:49

en0108_07

DeNAトラベルが「産休・育休」に関する調査を実施。男性は「仕事を優先」46.6%が多数派。女性は「育児を優先」45.9%が多数派。男性の育休実績は12.3%。理由は「仕事が忙しい」39.9%。

 男性の育児参加が唱えられてから久しい。こうした議論は86年の男女雇用機会均等法の施行をきっかけに活発化したものであるから、もう30年以上になる。近年、労働力人口の減少で、以前にも増して女性の社会参加を支援していかなければいけない時代となった。最近では「イクメン」という言葉も登場し、男性の育児休業取得について話題にされることも多い。

 DeNAトラベルは今年2月、10代~70代の男女596名を対象にインターネットを経由して「産休・育休」に関する調査を実施した。調査結果によれば、「仕事と育児のどちらを優先するか」という質問に対して、男性では「仕事を優先」が17.8%、「どちらかと言えば仕事」が28.8%で、両者を合わせると46.6%が「仕事優先」で多数派であった。

 一方、女性では「育児を優先」が17.4%、「どちらかと言えば育児優先」が28.5%で、両者を合わせると45.9%となり多数派で、男性は「仕事」、女性は「育児」という意識がはっきりと出たと言える。

 「男性(夫)の育休取得」については、「取得したい(男)、取得して欲しい(女)」が男性で50.6%、女性が51.4%と過半数以上が取得を希望している。「配偶者の出産時に育休を取得したか」という問いには、「取得した」は12.3%のみで、9割近い者は取得していない現状だ。

 育休を取得しなかった男性にその理由を尋ねたところ、「仕事が忙しくて休めない」が39.9%で最も多く、次いで「職場の代替要員がいない」が32.6%、「育休制度がない」32.1%の3つが上位となっている。上位2つを合わせると72.7%の者が「仕事の都合」で育休をとれない理由にあげていることになる。

 上位3つのうち「育休制度がない」については誤解がありそうだ。法律上、たとえ企業の就業規則に育休に関する記載がなくても1歳未満の子供を持つ者は男女関係なく育児休業を申し出ることができる。育休制度は法律上の制度であるがまだまだ一般には正しく認識されていないと言える。

 国際的に日本企業のワークライフバランスの悪さが指摘されている。グローバリゼーションの中、日本企業も「仕事と生活の調和」を実現していかなければ有能な人材を確保できない時代に来ている。法律上の制度以前に企業と勤労者自身の認識の改善が必要なようだ。(編集担当:久保田雄城)