2017年10月、改正育児・介護休業法が施行され、育児休業期間が最長2歳まで再延長可能になった。この制度変更によって待機児童の減少や育児のための退職を減らすことができると考えられている。
人材サービス業のエン・ジャパンが自社の運営する人事情報サイトを利用している企業の人事担当者502人を対象に「育児休業」についてのアンケート調査を昨年末から1月にかけて実施し、その結果を公表した。
調査結果によれば、男女別の「育児休業の取得状況」について、女性では76%の企業で「取得実績あり」と回答があったのに対し、男性では18%にとどまった。企業規模別に取得実績を見ると、女性が「100人未満」で65%に対し「1000名以上」では91%、男性が「100人未満」で12%、「1000名以上」が50%と、女性・男性ともに企業規模が上がるにつれ取得実績が高まっている。
育児休業制度が「ある」と回答した企業は90%。取得可能な年齢については「1歳」が54%で最も多く、次いで、「1歳半以上2歳未満」が21%となっている。育児休業中の月齢賃金については「支給しない」と回答した企業が83%、「一部支給する」は14%であった。
「17年10月からの制度変更について知っているか」という問いに対しては71%の企業が「知っている」と回答している。「育休期間が最長2歳まで延長可能となったことについてどう思うか」という問いに対しては、「非常に良いと思う」が28%、「まあ良いと思う」が46%で、両者を足すと74%の企業が「良いと思う」と回答している。
「復職のための支援」については、「休業前に面談を実施」が53%と最も多く、次いで「復職前に面談を実施」が45%、「休業中に定期的な連絡」が35%と続く。
「育児休業に関する悩みや懸念点」については、「休業する社員の代替要員の確保とコスト」が67%で圧倒的に多く、ついで「保育園に入園できない等、復職できない場合の人員不足」が39%、「復職後の時短勤務他、働き方の変化」37%が多くなっている。
この制度改革については7割を超える企業が認知し、また評価しているにもかかわらず、人手不足の中、代替人材の確保困難やコストの膨張のために、なかなか実施に踏み切れない企業が少なからず存在するのが実態のようだ。(編集担当:久保田雄城)