中国軍の南シナ海での活動拡大に懸念 防衛相

2018年05月24日 06:07

 小野寺五典防衛大臣は22日の記者会見で、中国国防省が4月18日に「南部海域島嶼」で爆撃機による離着陸訓練を実施したと発表したことの受け止めを聞かれ、「南シナ海における航行の自由、シーレーンの安全確保は重要な関心事項」で「法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序を維持・強化するために国際社会が連携していくことが重要」と述べた。

 小野寺大臣は「中国は南シナ海においてこれまでに大規模かつ急速な埋め立て活動を強行し、防衛的な性質の軍事施設と称して、砲台といった軍事的施設や滑走路等の軍事目的にも利用し得る各種インフラ整備を推進してきている」とし「南シナ海における中国軍の活動は拡大しているとみられている」と述べた。

 そのうえで「(南部海域島嶼での爆撃機による離着陸訓練は)一方的な現状変更やその既成事実化を一段と進めようとするもので、わが国として深刻な懸念を有している」と述べ「国際社会からも同様の懸念が示されている」と語った。

 このため小野寺大臣は「今後とも、能力構築支援や共同訓練といった取り組みを行い、国際社会との連携を強化していきたい」と述べた。(編集担当:森高龍二)