地下ごみを理由とした8億円を超える国有地値引き売却の森友学園問題で23日、国会と当時、学園理事長だった籠池泰典氏に大きな動きがあった。
廃棄したとする学園側との交渉記録資料は存在した。国会答弁に合わせるため保管記録の廃棄まで進めた悪質な隠蔽も明らかに。一方、大阪地裁は籠池氏の保釈を決定した。森友問題も新たな段階を迎えつつある。
加計学園獣医学部新設を巡る疑惑とともに、行政への国民の信頼を大きく損ねた財務省決裁文書改ざん問題で、財務省は約900ページに及ぶ学園側との交渉記録や30ページ弱の本省相談メモ、約3000ページに及ぶ改ざん前決裁文書を国会に23日提出した。
学園側との交渉記録については、佐川宣寿理財局長(当時)が「廃棄した」と何度も国会答弁で繰り返してきた。財務省も存在しないとしてきた。存在が明らかになったことで、これまで国会で費やされてきた審議はなんだったのか、財務省の悪質な隠蔽と言わざるを得ず、麻生太郎財務大臣は責任をこれまで以上に問われることになる。
野党筆頭理事で問題追及してきた逢坂誠二衆院議員は「この1年、(政府は)国民を騙し続けた。そして騙されたなかで国会議員は質疑せざるを得ないという時間を送ってきた。政府の対応を強く非難したい」と怒った。
逢坂議員は「管理・監督している財務大臣に積極的な反省の弁がない姿勢も驚きだ。この案件は総理自身が関わっていたのではないかと疑われているもので、総理からも積極的な話がないことに強い憤りを感じる。(今回提出された)内容やこれまでの政府の嘘に満ち満ちた答弁を精査し、政府の問題点を追及したい」と述べた。
また、膨大な資料だけに「28日の衆参両院の予算委員会1日だけの集中審議で問題が明らかになると思えない」とし「さらにしっかりとした審議ができるよう与党に要求していく」考えだ。
一方、籠池氏の保釈を大阪地裁が決定した。森友問題では複数の自殺者や自殺未遂者が出ているとされる。籠池氏には、これまで語られていない事実について公の場で記者会見し、記者団の問いに答えていただくことが期待される。(編集担当:森高龍二)