人事院は10日、一般行政職、外交官、税務職員ら一般職国家公務員約27万5000人の給与について、今年度の月給、ボーナスともに引き上げるよう勧告した。引き上げ幅は月給で0.16%、ボーナスで0.05か月。月給、ボーナスともに引き上げる勧告は5年連続となる。
勧告通りにすれば月給は平均655円増え、ボーナスは年間支給月数で4.45カ月となり、財務省の試算で人件費は約360億円増える。
野田聖子総務大臣は同日の記者会見で「地方公務員の給与は国家公務員の給与を基本として決定すべきもので、このような考え方に立って対処する必要がある」などと述べたが、地方公務員の給与を国家公務員に準じ改定すれば総務省の試算で約790億円の人件費増となり、国家公務員と地方公務員を合わせた人件費は約1150億円も膨らむことになる。
菅義偉官房長官は「国家公務員給与の取扱いについては人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢に立ち、適正な結論を得るよう、国の財政状況、経済社会情勢など国政全般の観点から検討していく」と語った。来春の統一地方選、来夏の参院選を睨めば国家公務員、地方公務員の給与は人事院勧告通りに引き上げられることになりそう。(編集担当:森高龍二)