WHO(世界保健機関)などによって設立された「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」の不眠症国際判定基準「アテネ不眠尺度」を用いて日本人被験者の「不眠症の疑い」について調べた結果、49.3%の者が「不眠症の疑いあり」と判定された。
調査を行ったのは社内研究機関に日本睡眠科学研究所を有する寝具製造・販売の東京西川(西川産業)だ。東京西川は9月3日の「睡眠の日」合わせて「東京西川 睡眠白書2018」を取りまとめ、その一部を8月28日に公表した。調査対象は全国の18~79歳までの男女1万人だ。
アテネの不眠尺度ではスコアが6以上の場合「不眠症の疑いあり」とされるが、調査の結果、0以上3以下が32.5%、4以上5以下が18.2%、6以上が49.3%となり半数の者に「不眠症の疑いあり」という結果が出た。
睡眠の質について満足度を尋ねたところ、「満足している」が31.8%、「少し不満」が45.6%、「かなり不満」が17.2%、「非常に不満・全く眠れない」が5.5%となっており、約7割の人が「自分の睡眠に不満がある」という結果になった。
「満足している」と答えた者の割合を年代別に見ると、「20代」で26.3%、「30代」で25.2%、「40代」で23.6%、「50代」29.6%、「60代」で41.4%、「70代」45.8%となっており、20~50代の現役世代で「満足している」者の割合が低くなっている。
「睡眠時間は足りているか」という質問に対しては、「十分」と回答したのは34.9%のみで、「少し足りない」が46.0%、「かなり足りない」13.9%、「全く足りない」5.1%となっており、世代別ではやはり20~50代の現役世代で「十分」との回答が30%以下で低くなっている。
肉体的・精神的疲労と睡眠満足度との関係を尋ねた結果、「肉体的に疲れた一日」の睡眠満足度が53.9%であったのに対して「精神的に疲れた一日」では38.8%と低い値になった。最も満足度が高かったのは「心身ともにゆったりした一日」で66.8%、最も低かったのは「心身ともに疲れた一日」の38%であった。睡眠の質を悪くする要因は「肉体的な疲労」よりも「精神的な疲労」のようだ。(編集担当:久保田雄城)