自民党の安倍晋三総裁が「憲法への自衛隊明記など、次の国会に自民党としての憲法改正案を提出できるよう、党を挙げて取り組み、早期の発議を目指す」と7日告示、20日投開票で実施される自民党総裁選挙出馬での政策ビラに表記することを日本共産党が機関紙赤旗で報じた。
そのうえで「国民多数が改憲を求めていないのに、安倍首相は改憲の発議をしないのは『サボタージュ』(「産経」3日付)、『責任放棄』(「日経」4日付)としている」ことに「国務大臣や国会議員の憲法尊重擁護義務を定めた憲法99条を踏みにじる発言なのに、その自覚さえない」と安倍総裁の姿勢を問題と指摘している。
加えて、安倍総理が自衛隊最高指揮官・総理として、今月3日の自衛隊高級幹部合同で訓示した『全ての自衛隊員が、強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える』と憲法9条に自衛隊を明記することを「次期3年間のいの一番の仕事と位置づけている」ことについて「政治的中立を大原則とする実力組織の高級幹部への訓示で、最高指揮官の首相が改憲の持論を述べるなど、異常であり、危険極まりない」と警鐘を鳴らした。
安倍総理が自衛隊高級幹部合同で訓示した「強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える」との表現が憲法9条への自衛隊明記を意味することは、この言葉の前段で「長きにわたる諸君の自衛隊員としての歩みを振り返るとき、時には心無い批判にさらされ、悔しい思いをしたこともあったかもしれない。自衛隊の最高指揮官、同じ時代を生きた政治家として忸怩(じくじ)たる思いだ」との言葉からも、明確だ。(編集担当:森高龍二)