総理 「9条」改憲へ、強い決意うかがわせる

2018年09月04日 07:04

 安倍晋三総理は3日、都内で開かれた自衛隊高級幹部合同で訓示し「わが国防衛の中枢を担う幹部諸君と一堂に会するにあたり、自衛隊の最高指揮官たる総理として一言申し上げたい」と述べ「自衛隊員が強い誇りをもって任務を全うできる環境を整える。今を生きる政治家の責任だ」と憲法9条(戦争の放棄)に自衛隊を明記する自身の思い、改憲への決意を強くうかがわせた。

 安倍総理は「わたしは責任をしっかり果たしていく決意だ」と述べ、その前段では、自衛隊幹部らに「時には心無い批判に晒されたこともあったと思う。悔しい思いをしたこともあったかもしれない。自衛隊最高指揮官として、そして同じ時代を生きる政治家として忸怩(じくじ)たる思いだ」と述べた。

 安倍総理は「我が国を取り巻く安全保障環境は5年前に想定した以上に各段に早いスピードで厳しさを増している。サイバー空間、宇宙空間、電磁波領域など、新たな領域で優位性をたもつことがわが国の防衛に死活的に重要になっている。今までの常識は通用しない。冬に策定する新たな『防衛大綱』は我が国の安全保障の将来を決定づける極めて重要なものとなる。変化し続ける現実を直視し、真に必要な防衛力のあるべき姿について、大胆な発想で考え抜いてほしい」と防衛大綱がその後の防衛の礎になるものになるよう考えることを求めた。

ただ、朝鮮半島をめぐる情勢が平和に向けて南北と米が動く中、安倍総理と小野寺五典防衛大臣だけが「厳しさを増している」と一貫して危機感を持たせる発言を繰り返し、防衛費増強が続いていくことに国民の間に軍拡路線に対する違和感や危機感が生まれつつある。日本の防衛力(実力部隊と装備)は「必要最小限」の枠内にとどめることが憲法の精神であり「戦力不保持」と規定しているところであることを忘れてはならない。(編集担当:森高龍二)