喫煙率過去最低を更新 女性の低下率は緩やか

2018年09月28日 06:50

画・喫煙率過去最低を更新 女性の低下率は緩やか

厚生労働省が行った2017年の国民健康・栄養調査によれば、タバコを吸う成人の割合は17.7パーセントと過去最低を記録した

 厚生労働省が行った2017年の国民健康・栄養調査によれば、タバコを吸う成人の割合は17.7パーセントと過去最低を記録した。タバコを習慣的に吸っている男性の割合は29.4パーセント、女性は7.2パーセントとなっている。

 国内の喫煙率は1995年以降緩やかな減少を続てきた。成人男性の喫煙率は95年には5割を超えていたものの、全年齢層で右肩下がりに減少しており、特に20代や30代の喫煙率の低さが目立つ。2012年に策定された「がん対策推進基本計画」によれば「22年度までに成人喫煙率を12パーセントにする」ことが目標にされているが、これまでの喫煙率の減少傾向を見ると目標達成も可能と言えそうだ。タバコが健康に与える影響がより認知されてきたことに加え、タバコ税の増税や若い世代ではタバコを吸うこと自体にそれほど魅力を感じなくなってきたということが喫煙率を低下させている要因として挙げられる。実際インターネット上で行われた調査ではタバコを吸う男性が恋愛対象になるかという質問に対し、女性の約7割が「ならない」と答えた。

 しかし都道府県別の喫煙率を見てみると、まだ地域によって開きがあることがわかる。例えば男性の喫煙率が高い北海道や青森県、岩手県、佐賀県などは喫煙率が4割をうかがうのに対し、東京都や京都府、奈良県などは喫煙率が3割を切るなど格差が広がっているのだ。国としてだけではなく、各自治体がタバコの健康被害への啓発活動をより強化していく必要性があるだろう。

 さらに女性の喫煙率の低下率が鈍化していることも注目に値する。現在の女性の喫煙率は9パーセント前後だが、この割合は数年前からそれほど変わっていない。妊婦への副流煙の悪影響など、タバコを吸わない女性に対するケアは徐々に浸透してきたが、喫煙者の女性に対する啓発には限界が見られる。男女ともに30代から50代の喫煙率が高いことを調査は示しているので、喫煙率の高い地域・年齢層に絞ったよりきめ細やかな支援が求められているのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)