東京オリンピックに向けて公共空間での禁煙の動きが加速している。公共空間での禁煙規制の根拠は一般に副流煙などの健康問題として論じられることが多いが、基本的には公共空間でのマナーの問題であろう。
禁煙規制が広がることは愛煙家にとっては肩身が狭くなることでもあるが、これを機会にたばこを止める人が増えているのも事実だ。個体差があるとはいうもののたばこが様々な点から健康に望ましくないことは周知のことだ。医療費の削減につながるという見方もある。
たばこメーカーのJTの調査によれば喫煙者の比率は年々確実に低下している。JTが先月30日「全国たばこ喫煙者率調査(2018年)」の結果を公表した。
調査結果によれば、18年5月現在の喫煙率は、男女計が17.9%、男性が27.8%、女性が8.7%となっている。これを昨年のデータと比べると、男女計が昨年の18.2%から0.3ポイント、男性が28.2%から0.4ポイント、女性では9.0%から0.3ポイントのそれぞれ減少となっており、男女ともに減少傾向で推移している。
人口データから推計された喫煙者の数は男女計で1880万人、男女別に見ると男性が1406万人で女性が474万人となっている。これを昨年4月現在のデータと比べると、男女計で37万人の減少、男性では20万人の減少、女性では17万人の減少となっており、男女別にも減少傾向で推移している。
年齢別に喫煙率を見ると、20代の男性が23.3%、女性が6.6%、30代の男性で33.1%、女性で11.1%、40代の男性が35.5%、女性が13.6%、50代男性が33.0%、女性で12.0%、60歳以上で男性が21.3%、女性が5.4%となっており、30代から50代の男性で30%を越えており働き盛り世代の男性で喫煙率が高くなっている。
1日当たりの平均喫煙本数は男性が17.7本、女性が14.4本で、これを昨年のデータと比べると昨年では男性が18.1本、女性が14.7本であったので男女共に1日当たりの平均喫煙本数も減少傾向にある。
平均喫煙本数を年齢別にみると、50代の男性が19.5本で最も多く、次いで60歳以上の男性の18.4本、40代男性18.3本、30代男性16.2本という順になっている。60歳以上の男女では喫煙率は下がっているものの喫煙本数は下がっておらず、60歳以降もたばこを吸い続けている人はヘビースモーカーが多そうだ。
たばこの問題は健康問題もあるが何と言ってもマナーが大切だ。愛煙家の権利を守った上で、非喫煙者に迷惑がかからぬよう、適切なルール作りが必要だ。(編集担当:久保田雄城)