サステナブルな社会へ。「住生活月間」に考えたい、日本の住生活を支えているもの

2018年10月14日 15:55

画・住宅ローン金利 変動型が過去最高

10月は政府が毎年度実施している「住生活月間」でもある

 10月に入ると途端に秋めいて、過ごしやすい日々が続いている。天気の良い日は行楽に出かける家族も多いのではないだろうか。この季節は休日ともなると、遊園地やキャンプ場、バーベキューのできる川原などはどこに行っても盛況だが、そんな中でも意外に家族連れが多いのが住宅展示場だ。展示場でもこの時期、秋の住宅フェアを開催しているところも多く、それに合わせて、子供向けのイベントなどを開催して誘致に力を入れている。とくに今年は、来年10月に消費税率の改正が予定されていることもあって、多くの来場者で賑わっているようだ。

 実は、10月は政府が毎年度実施している「住生活月間」でもある。国土交通省では、国民の住まいに対する意識の向上と、豊かな住生活の実現を目的に、官民協力の下、全国各地で住まいのシンポジウムを開催するなど、総合的な啓発活動に勤しんでいる。10月13日に今年で30回目となる「住生活月間中央イベント」が岐阜県宇都宮の宇都宮グランドホテルで行われた後、18日には東京都文京区で住生活月間フォーラムの開催も予定されている。

 住む人にとっては、新居は夢のマイホームだが、今、日本の住生活は解決すべき3つの大きな課題を抱えている。

 一つは、住宅の質の向上だ。政府は2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均で住宅の年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロとなる住宅、いわゆるZEHの実現を目指しており、かなり浸透はしてきてはいるものの、実際的には、未だ省エネ性能が不足している住宅は多い。また、今年上半期の日本列島は、度重なる地震や台風などの災害に見舞われたが、耐震性能や耐久性能でも課題は残る。さらに、少子高齢化による住環境の変化や、既存住宅の流通など、日本の住生活には解決すべき問題が山積している。

 そんな中、「サステナブル」なるものを進める住宅企業が増えている。日本人にはあまり聞きなれない言葉だが、直訳すると「持続可能」という意味だ。2015年9月に150を超える加盟国首脳の参加のもと、ニューヨークで開催された国連サミットで、、その成果文書として採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中の17の目標、169のターゲットからなる「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」(略称SDGs)。その中には、飢餓や貧困、気候変動など、世界の社会共通で取り組むべき課題が記されているが、住環境の改善も大くの項目において関わっている。

 例えば、木造住宅メーカーのアキュラホームは、不測の事態にも安心して住み続けられる強固な「性能」と、自由設計で叶える「快適性」、永代家守りなど、同社独自のアフターフォロー体制などで、永く住み続けるための「持続性」の3つを柱にサスティナブル構法と銘打った住宅「ココイエ(Coco-ie)」を発売した。
 
 関東エリアを中心に木造住宅を展開する株式会社ポラテックは、オリジナル耐力壁やオリジナル構法をはじめ、地域の気象データを用いた通風設計などによる環境に配慮した、超長期構法 「ポラス サステナブル システム」を開発して人気を博している。

 また、IBEC建築省エネ機構主催の「サステナブル住宅賞」では昨年、ARTENVARCH一級建築士事務所設計、山崎工務店施工の「Diagonal Boxes」が国土交通大臣賞(新築部門)を受賞している。

 最先端のエコ住宅といえば、どうしても大手ハウスメーカーが有利なイメージがあるが、実は日本の中堅住宅メーカーの中には、上記3社のような職人気質で上質な住宅を提供し続けている企業が多い。持続可能な社会の住生活は、こういった企業の活動に支えらているのかもしれない。(編集担当:藤原伊織)