富士フイルムが「アクアナノサイジングDHA」を開発

2012年01月19日 11:00

 富士フイルムは、水に触れることで自然に微細化し、吸収が高まるDHA「アクアナノサイジングDHA」の開発に成功したと発表した。この「アクアナノサイジングDHA」は、通常のDHAと比較して、飲用時に1.5倍の吸収性を有するという。

 DHAは、青魚などに多く含まれる必須脂肪酸で、中性脂肪値低下、血流改善、脳機能改善などの健康増進に効果が期待される成分である。厚生労働省が定める摂取目標では1日1,000mg以上とされているものの、現代人は魚摂取量が減っており、その摂取量は不足する傾向にある。その為、以前から多くのサプリメントが市場に出ており、人気・認知度共に高い。

 このDHAは油性成分であるため水に溶けず、体に吸収されにくい成分である。通常のDHAはそのままでは吸収されず、体内においては胆汁酸によって微細化され、小腸で分解されることによって、はじめて吸収される。しかし、胆汁酸の分泌は、食事の有無や個人差によってばらつきがあるため、より多くの人が効率よく補うためには、微細化して吸収性を高める必要があるという。

 そこで今回、富士フイルムが開発したのが「アクアナノサイジングDHA」。数ミクロンにまで小さくしたDHAの粒子の表面に乳化剤などで特殊な構造を作り、水に触れることで自然と微細化するという。結果、ラット実験では、通常のDHAと比較してその吸収性は平均で3倍、ヒト実験では平均1.5倍もの高吸収性を実現している。

 近年の開発や発見により、新しい成分のサプリメントや健康補助食品が台頭し、市場が広がっている。そんな中で、比較的初期から存在し、一定の地位と規模を確立したと言えるDHAでの今回の開発は、その市場規模の広がる方向性が変わることを示しているのかもしれない。