「総理は日本語が分かっているのか」枝野氏

2018年10月30日 09:40

 立憲民主党の枝野幸男代表は衆院本会議代表質問後、記者団の問いに「都合の悪いことからは逃げるという(安倍晋三総理の)姿勢が顕著。権力分立原則をまったく理解していないということを明らかにした答弁だ」と述べた。

 加えて答弁から「聞かれていることに答えず、聞かれていないことに答えている。例えば、国民の皆さんが(多くの国民は豊かさや経済成長、暮らし向きの改善を)実感していない。(中身が伴っていない以上、多くの国民がこうした認識を持つことも当然と思いますが、総理はこうした国民の実感についてどう考えているのか)ということに対して、名目経済成長率を出してくるなんて、日本語が分かっているのかと言いたくなる」と答弁姿勢を指摘。

枝野代表は「障害者の雇用水増し問題についても、なぜ所信表明で触れられなかったのかという答えはなかった。相変わらず聞かれたことには答えないという姿勢なのか、何を聞かれているのか日本語が分からないということなのか、どちらなのかなと思いながら(答弁を)聞いていた」と語った。

枝野代表が安倍総理は都合の悪いことから逃げると指摘したのは、総理が所信表明演説で森友学園問題、加計学園獣医学部新設過程での疑惑や財務省の公文書改ざん問題、障害者雇用水増し問題について一切触れなかったことに対して述べた。

また、安倍総理が権力分立原則をまったく理解していないとの指摘は、先の通常国会閉会後に大島理森衆院議長が所感で「立法府と行政府の間の基本的な信任関係に関わる問題、国政に対する国民の信頼に関わる問題が数多く明らかになり、民主的な行政監視、国民の負託を受けた行政執行といった点から民主主義の根幹を揺るがす」と対応策を政府に求めた異例の大島議長の強い問題提起に関わらず、総理が所信表明で一切触れなかったことへの問題提起だった。(編集担当:森高龍二)