日本労働組合総連合会が外国人労働者の受入れに関する意識調査を行った。全国の20歳から69歳の働く男女1,000名に対するアンケート結果によれば、日本に外国人労働者が増える事を良い事だと思う人は約55%、良くない事だと思う人は約22%となった。
2018年12月8日、批判も多く飛び交う中で入管法改正案が成立した。連合の意識調査は18年9月25日から26日までの2日間をかけて行われたが、外国人労働者受け入れについて政府の説明が十分でないと感じる人はこの時からすでに69%にものぼっていた。ただし受け入れ自体に関しては否定的な捉え方ばかりでなく、特に20代の若い世代からは肯定的な意見も多い。日本全体の外国人労働者増加について、20代の約66%は良い事であると回答している。しかしその一方で40代の肯定派は47%にとどまり、意識の差が年代によってもいくらか生じている事が分かった。
外国人労働者が増える事を良いものとして捉える人の多くは、これによって人手不足が解消する事に期待を寄せている。医療・福祉関係では人手不足を理由とした肯定的回答が目立っており、医療や福祉サービスを必要とする高齢者が増加している反面、それを担う若い世代が不足している現状をうかがわせた。
ところがこのように人手不足の深刻さが叫ばれる一方、外国人労働者を増やす前に日本人の雇用を優先させるべきと言う意見もある。受け入れ体制の整備を怠ったまま外国人労働者を募っても、人材を求めている業種にだけ都合良く外国人が増えるとは限らない。結果として労働希望者が多い業種に就くためのハードルが上がってしまうのではないかという懸念もあるのだろう。また、介護職のように人手不足に陥っている業界は、労働環境や待遇面への不満が大きい事も原因の一つとなっている。日本人が働きたくない所に外国人労働者を補充するような考え方に抵抗感を持っている人も少なくない。
全体的に見れば外国人労働者の増加をポジティブに捉えている日本人は多い。とは言え適切な体制作りと外国人が納得できる待遇面の実現がなければ、将来的な発展を望む事は容易ではないのだろう。(編集担当:久保田雄城)