安倍晋三総理は6日、日本学術会議が主催する「サイエンス20」による共同声明を受け取り「G20議長国として、海洋プラスチックごみや気候変動問題など地球規模の課題解決に向けてリーダーシップを発揮していきたい」と応じた。
サイエンス20には日本学術会議のほか、フランス科学アカデミー、全米科学アカデミー、英国王立協会、カナダ王立協会、中国科学院、韓国科学技術アカデミー、ロシア科学アカデミー、インド国家アカデミーなど世界各国の科学アカデミーが参加。今回は海洋生態系への脅威、特に気候変動と海洋プラスチックごみの問題をテーマに議論し、共同声明を取りまとめた。
安倍総理は「地球規模課題の解決にはイノベーションが不可欠」と強調。「人工光合成やあるいはCO2を何らかの原料として有効に活用するという技術が生まれれば、地球温暖化に向けて、その解決に大きく近づいていくことになる。また海に溶けるプラスチックが量産できれば海洋プラスチックごみ問題も解決に向けて大きく進んでいくと思う」と述べた。
安倍総理は「革新的なイノベーションが必要で、その実現のために世界の英知を結集しなければならない。サイエンス20の皆様の御活躍に大いに期待している」と期待を示した。
そのうえで「政治レベルで今すぐできることについてはG20で、あるいはG7で協力し進めていきたい」と語った。
共同声明では「海洋の温暖化、海洋酸性化、貧酸素化は地球的規模で進行している課題であり、さらに海洋の富栄養化、汚染、海洋プラスチックごみの集積も海洋生態系へ影響を与えている」とし(1)海洋資源の今後の開発に際して、専門家による科学的根拠に基づく助言の必要性(2)海洋生態系へのストレス要因の軽減を目的とした行動の増強(3)世界中の科学者がアクセス可能なデータ保管装置と管理システムの確立や強固な国際協力の下で推進される海洋の調査・研究活動の実施とそれにより得られる情報の共有化などを提言している。(編集担当:森高龍二)