総務省行政評価局は8日、厚労省による賃金構造基本統計の問題に関する緊急報告を取りまとめ、公表した。緊急報告は問題の根底に厚労省の「遵法意識の欠如」「事なかれ主義のまん延」があると鋭く批判。「遵法意識の欠如と事なかれ主義のまん延の打破が急務だ」と指摘した。
また郵送での調査方法について「データを集めるための調査実務における方策であったが、正式な手続を踏まなかったため問題化した」とし「厚生労働省は調査環境の悪化と調査に動員できるリソースの限界という課題を認識し、現場の状況を把握しつつ、賃金構造基本統計調査の実施方法・体制について必要な措置を採るべきだ」とした。
厚生労働省政策統括官の統計担当部門について「幹部への情報集約と担当への指示が機能不全になっている」とし「厚生労働省は賃金構造基本統計という製品のメーカーとしての責任を果たすという視点から、組織と運営を見直し、ガバナンスを高めるべき」とした。(編集担当:森高龍二)