縁の下の力持ち。省エネと安全を叶える画期的な超小型電流センサが登場

2019年03月17日 13:16

省エネ

業界初の電力損失ゼロを達成した小型非接触電流センサ「BM14270MUV-LB」を用いたデモ機。ロームは MI素子を採用することで、これまでのホール素子による電流センサの課題を一気に解決した

 近年、日常生活からビジネスに至るまで、我々の生活のあらゆる場面で電子化、電力化が進んでいる。世の中が便利になるのは喜ばしいことだが、その一方で、より一層の省エネ対策や安全性能の必要性が問われている。

 そんな中、日本の電子部品企業大手のロームが、高性能な電流センサの新製品を発表して注目をあつめている。

 電流センサとは、その名の通り電流を測定するためのセンサで、電流で動作状況を検知したいあらゆる産業機器・民生機器に必要不可欠なものだ。例えば、大電力を扱うデータセンターのサーバーや産業施設、太陽光発電システムなどの大規模設備はもちろん、一般の住宅やバッテリー駆動のドローンなど、電気・電力を使う様々な場面において、省エネと安全対策の第一歩として「電力の見える化」が求められているが、これを実現するのが電流センサなのだ。

 もちろん、これまでにも電流センサは存在していた。では、今回ロームが発表した製品は従来品とどう違うのだろうか。

 現在利用されている一般的な電流センサは、磁電変換素子にホール素子を用いて、磁界の変化によりホール効果で電圧が変化するのを検知するというものだった。しかし、動作にかかる消費電流が多いほか、感度が低いことから電流センサ内に配線を引き込む必要があり、その際に電流損失・発熱が発生してしまうなどの課題が指摘されていた。

 一方、3月8日にロームが発表した電流センサ「BM14270MUV-LB」はそのキーとなるテクノロジーにホール素子に代わる「MI素子」と呼ばれる磁気インピーダンス素子を採用することで、電流センサ内に配線を引き込む必要のない非接触検知を可能にし、同時に業界最小のサイズ(3.5mm 角)・低消費電流動作(0.07mA、従来品比100 分の1)を実現。また、非接触検知ゆえに発熱もなく、業界で初めて電力損失ゼロも達成している。超小型で低消費電力だから、搭載先を選ばないことも大きな魅力だ。今後、大規模な産業設備や電気設備から、小型の民生機器に至るまで、あらゆるシーンのアプリケーションで活用が期待できるだろう。

 ちなみに、MI素子を用いた地磁気センサは、すでにスマートウォッチなどの電子コンパスや、パーキングシステム、VR機器など、高感度と低消費電力が求められる場面での採用が進んでいる。我々が日常生活において、その存在を目で確認することはほとんど無いだろうが、耳にする機会はこれから増えてきそうだ。(編集担当:藤原伊織)