AIマーケティング、担当者5割が前向き。導入済2割のみ。課題は「活用法」と「コスト」

2019年03月18日 08:48

画・AIマーケティング、担当者5割が前向き。導入済2割のみ。課題は「活用法」と「コスト」。

ジャストシステムが「AIツールとマーケティング業務に関する実態調査」の結果を公表。5割が「AI導入」に前向き。導入済みは2割のみ。導入が進まない理由は「活用法が不明確」、「費用が高い」。

 AI(人工知能)が社会を変えると言われている。AIとは簡単に言ってしまえばシミュレータ(模倣機械)のことで、そもそもコンピュータはそのために作られた機械だ。近年AIという言葉が強調されるのは集積技術が飛躍的に向上し膨大なデータ、ビッグデータを処理する環境が整い、人間の認知、意思決定を模倣するAIという概念が日常世界で現実味を帯びてきたからだと言える。

 企業において顧客管理は重要だ。企業戦略を成功に導くには顧客の属性とその行動について十分な知識を獲得しなければならない。POSの導入以来、顧客行動の分析は既にコンピュータの担当になっている。AIの導入は蓄えられた既存のデータから顧客属性を細分化し、彼らの行動特性を抽出することで最も合理的なマーケティング戦略を現実化する。AIを使いこなせる企業のみがマーケットの中で競争優位を獲得できる時代が到来したといえる。

 AIマーケティングの現況に関し、ジャストシステムが企画、広報、販促等のマーケティング職種の20歳から59歳の男女478名を対象に「AIツールとマーケティング業務に関する実態調査」を1月に実施、6日にその結果概要を公表している。

 調査結果によれば、調査時点でAIツールやサービスを「導入している」と答えた者の割合は17.3%にとどまった。今後の動向については、「2019年中には導入予定」が8.7%、「導入する案は持ち上がっている」が13.2%、「導入する可能性はある」28.5%で、合計すると50.4%が導入に前向きな姿勢を示している。

 導入効果については、44.2%が「業務効率が改善した」と回答、「業務負荷が改善した」が35.1%、「顧客の状況をより理解できるようになった」が28.6%となっている。AIによる業務上の効果については、「とても期待している」が16.1%、「期待している」43.0%で、合わせると59.1%がAI活用に効果があると期待している。

 導入されていない理由を聞いたところ、「どのように活用するのかが明確になっていない」が39.4%で最も多く、次いで「費用が高い」が32.2%、「費用に見合った効果を社内で明確に提示しにくい」が29.8%となっている。

 AIを使いこなせれば高い成果があると期待していながら、その活用に関し十分な知識を獲得していないため費用対効果の評価が出来ず少なからず足踏み状態にあるというのが現況のようだ。(編集担当:久保田雄城)