国会事故調に虚偽説明の東電に社民が申し入れ

2013年02月18日 22:48

 東京電力が福島第一原発事故に対する国会事故調査委員会の現地調査に対して、虚偽説明し現地調査を残念させた事案で、社会民主党は18日、同社に対し、国民への謝罪と納得のいく説明を申し入れた。

 東電は「現場の明るさについて建屋カバー設置後の映像を設置前の映像と誤認したうえで、当社側から暗いと説明したのは事実であり、大変申し訳ない」と同社ホームページで弁明したうえで「何らかの意図を持って虚偽の報告をしたことはない」としている。また「今も危険な状況だが、今後、現地調査などの指示があれば、現場の状況を踏まえ真摯に対応する」としている。

 この問題は国会事故調査委員会が福島第一原発1号機の現地調査を決定した際、東電幹部が虚偽の説明をして現地調査を断念させたというもので、社民党は「事故の原因究明はすべての出発点であり安全基準を新たに作成するに当たって基本となるものである」としたうえで「1号機の非常用復水器は事故原因究明で最重要な機器であり、地震の揺れが非常用復水器を壊したのか否かで見解が分かれている。すでに国会事故調査委員会は解散しているが、過酷事故の原因究明は喫緊の課題であり、社民党は東京電力の虚偽の説明に強く抗議するとともに(3点について)申し入れる」とした。

 3点は(1)国会事故調査委員会への説明は調査の妨害であり、国会軽視と言わざるをえない。国民に対し謝罪をし納得のいくよう説明責任を果たすこと(2)原子力基本法の精神にたちかえり、自主・民主・公開の原則に則って、調査に協力すること(3)すべての原発事故被災者に対して十分な説明、補償をおこなうこととしている。東電に対してはこうした事案などから不信感を示す人もいる。(編集担当:森高龍二)