国書「万葉集」を典拠に、新元号は「令和」

2019年04月02日 06:16

 元号法(げんごうほう)の「一世一元」に基づき、皇位継承に伴う5月1日からの新元号が「令和(れいわ)」と決まった。日本文化にこだわったとみられ、これまで続いた中国古典からではなく、安倍内閣のもとで初めて国書「万葉集」を典拠にした。

 新元号は菅義偉官房長官が発表。安倍晋三総理が『令和』の意味合いと新元号への思いを自ら語り「万葉集にある『初春の令月にして 気淑(よ)く風和(やわら)ぎ 梅は鏡前の粉(こ)を披(ひら)き 蘭(らん)は珮後(はいご)の香を薫(かおら)す』との文言から引用した」と述べ「令和には、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意味が込められている」と語った。

 また「日本人の心情に溶け込み、日本国民の精神的な一体感を支えるものとなっている」とも述べた。

 万葉集から引用した意味合いについては「1200年余り前に編さんされた日本最古の歌集であるとともに、天皇や皇族、貴族だけでなく、防人や農民まで、幅広い階層の人々が詠んだ歌が収められ、我が国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書だ」と説明した。

 そのうえで安倍総理は「悠久の歴史と薫り高き文化、四季折々の美しい自然、こうした日本の国柄をしっかり次の時代へ引き継いでいく。厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人一人の日本人が明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたいとの願いを込め『令和』に決定した」と語った。(編集担当:森高龍二)