文部科学省は総合教育政策局長、初等中等教育局長名で全国の都道府県知事、教育長など外国人の子どもの就学促進と就学状況の把握に努めるよう17日までに通知を出した。
今月スタートした「特定技能1号」「特定技能2号」の創設を踏まえた通知で、学齢(6~15歳)の外国人の子どもが就学の機会を逸することのないよう、教育委員会は市町村や都道府県の広報誌、ホームペーでの周知や説明会の開催等により就学援助制度を含め、外国人の子どもの就学に関する広報・説明を行い、公立の義務教育諸学校への入学も可能であることを案内すること。同時に保護者に対して住民基本台帳の情報に基づいて、公立の義務教育諸学校への入学手続等を記載した就学案内を通知することなどを求めた。
また外国人の子どもの保護者については学校教育法第16条等による就学義務は課されていないが、外国人の子どもの就学機会確保の観点から、教育委員会は住民基本台帳等に基づいて学齢簿に準じるものを作成するなどして就学に関する適切な情報の管理に努めるようにと指示している。
また外国人の子どもの居住地等の通学区域内での義務教育諸学校に受入れ体制が整備されていない場合、地域の実情に応じて受入れ体制が整備されている義務教育諸学校への通学を認めるなどの柔軟な対応を行うよう指導した。
このほか、日本語でのコミュニケーション能力の欠如や日本と外国とで学習内容・順序が異なること等により、相当学年への就学に必要な基礎条件を著しく欠くなど、年齢相当学年の教育を受けることが適切でないと認められるときは一時的又は正式に下学年への入学を認める取扱いとすることが可能とし、学校においては外国人の子どもの学力や日本語能力等を適宜判断し、必要に応じてこのような取扱いを講じること、としている。
日本に在留する外国人は昨年6月現在で約264万人。国内で働く外国人は昨年10月現在で約146万人いる。政府は在留外国人が在留手続や雇用、医療、福祉、出産・子育て・子どもの教育など、生活に係る適切な情報や相談場所に迅速に到達することができるよう情報提供や相談を多言語で行う「一元的相談窓口の整備」に取り組む地方公共団体に対して整備費に1000万円を限度に交付、多言語で相談できる相談員の配置など運営面での経費についても1000万円を限度に経費の半額を支援することにしている。(編集担当:森高龍二)