ITというのは情報のテクノロジーのことであり、人々の知識獲得の機会を飛躍的に増大させるものであるから、その発展・普及は教育のあり方に強く影響を与える。
レノボ・ジャパンが15日に世界10カ国を対象として実施したテクノロジーと教育についての調査結果を公表している。レノボは今年の3月から4月、世界10カ国(日本、米国、メキシコ、ブラジル、中国、インド、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア)の18歳以上の男女1万5226名を対象にテクノロジーが日常生活と社会に与えるインパクトについてアンケート調査を行った。
この調査の中で保護者の75%が「子供たちは学校の宿題を保護者に手伝ってもらわずネットで調べている」と答えている。この割合が最も高いのはインドの89%で、次いで中国の85%となっており、これらの国では子供の学習を支援するためにテクノロジーを利用する保護者が増加しているらしい。一方、最も低かったのはドイツの54%で、日本は70%で5位となっている。
保護者が子供の宿題を手伝う際、ネットで調べたにもかかわらず、答えを前から知っていたふりをしたことがあると答えた者は60%で保護者もテクノロジーに依存しているようだ。ちなみに日本は56%で最も低くなっている。
「教育分野におけるテクノロジーの進歩が子供たちの学業成績向上の一助になっている」ということに同意を示した者の割合は83%でほとんどの者がこの事実を認めているようだ。
「テクノロジーは子供たちが将来、学習と問題解決を自立してできるようになるための手助けをする」に同意する保護者は73%で、最も高いのがインドで91%、一方米国が59%で最も低く、日本も62%と低めになっている。テクノロジーが教育に与えるインパクトについては新興国で評価が高く先進国で低い傾向があるようだ。若い世代(ミレニアル世代)に限ってみると「教育における将来の課題を解決するためにテクノロジーが『非常に重要』である」との回答は日本が29%と10カ国中最低になっている。
心理学者Jocelyn Brewer氏のレポート内でのコメントに沿えば、世界ではテクノロジーの進化によって教育カリキュラムや学習方法が大きく変化しており、その中で世界中の保護者達が子供をどのようにサポートしたらよいか戸惑っている状況のようだ。(編集担当:久保田雄城)