関西電力の筆頭株主・大阪市の松井一郎市長は2日、関西電力の八木誠会長、岩根茂樹社長ら20人が高浜原発を置く福井県高浜町の元助役から現金や商品券、金貨など総額3億2000万円にのぼる金品を受領していた問題で、同日、関西電力会長、社長らが行った記者会見を受け「お偉いさん方を守る言い訳に終始した」と強く批判した。
そのうえで松井市長は「膿を出し切るというのなら、身を引いて再調査するべき」と八木会長、岩根社長らが続投して責任を果たすとしたことに、続投ではなく、辞任するよう求めた。
また関西電力が今回の事態を受け、会社と完全に独立した社外委員(弁護士)のみで構成する第3者委員会(調査委員会)を設置し、原発部門だけでなく、火力、水力はじめ原発部門以外の部門とグループ会社も対象に調査をすることや社内調査委員会の調査結果の検証も含め、徹底調査し、福井県高浜町の元助役から金品を受領していた役員ら20人への処分結果(処分は6人のみ、うち3人は厳重注意、最も重い処分で報酬2割、2カ月分を返上)についても妥当かどうか検証してもらうとしていることを受け、松井市長は「第3者委員会に我々が推薦する人を入れてもらいたい」と注文を付け、実効性を求めた。
松井市長は関西電力の記者会見前日に「バックマージンと疑われるプレゼントを受けた方々で会社の信頼を回復できるとは思えない」と指摘し「代わってもらうのは当然だ」と役員に辞任を求めた。
関西電力の豊松秀己元副社長と鈴木聡常務執行役員は1億円を超える金品を受領していたが、2日の記者会見には出席していない。今後立ち上げる第3者委員会が、この金品を提供できた元助役の原資を解明できるかが再発防止と問題解明の大きなカギになる。(編集担当:森高龍二)