毎月勤労統計調査の奈良県の50歳代の男性調査員が昨年8月~今年8月にかけての調査で聞き取りや回収調査が困難になったとして3事業所のデータについて従前の資料数値をもとに調査票を作成し、県に提出していたことが分かった。厚労省と奈良県が21日発表した。
これを受けて厚労省は昨年8月~今年7月分までの結果数値を訂正した。指数では「現金給与総額の名目・実質賃金指数及び前年同月比」に変更はなかった。
今回の問題で男性調査員への委嘱を10月2日付けで解除。不適切な調査に係る調査員報酬についても返還を求め「10月16日に納付があった」としている。
再発防止のため奈良県は「すべての調査員に対し、改めて適切な調査を行うよう指導を徹底する」とするとともに「調査員及び事業所に対する今回と同様の確認を調査期間中(18か月間)に必ず1回行い、チェック体制の強化を図る」としている。
毎月勤労統計調査では第二種事業所(常用労働者5~29人規模)については統計調査員による調査を行っており、厚労省は大阪府で統計調査員による不適切な事務処理が判明したのを受け、全国点検を行っていた。(編集担当:森高龍二)