内閣不信任案提出、政権問題を国会で浮き彫りに

2019年06月26日 06:19

 安倍内閣に退陣を求める「内閣不信任決議案」が25日、立憲民主・国民民主・日本共産・社会民主の4党と衆院会派・社会保障を立て直す会から衆院に共同提出された。同日午後の衆院本会議で自民党など与党が否決する。否決が明白な中で、あえて提出したのは、野党として安倍政権の一連の問題を国会の場で浮き彫りにするのが狙い、とみられる。

 不信任案では「安倍内閣がつづくことは国民生活、安全保障を破綻への道に導きかねない」と強く非難している。自民党の萩生田光一幹事長代行は23日のNHK討論番組で「提出されれば粛々と否決したい。退陣せよというようなそしりを受けるいわれはない」などと語っていた。

 安倍総理に対しては24日の参院本会議で「問責決議案」が採決され、自民、公明、維新の反対で否決された。審議では立憲民主党の福山哲郎幹事長が予算委員会開催を求めているにもかかわらず「予算委員会が開かれないのは総理が逃げ回っているからだ」と自ら官房副長官を経験したことを踏まえて総理の責任を追及。「議院内閣制を破壊するような総理には、即刻辞めていただきたい」と退陣を求めた。

 白眞勲議員は、安倍政権での(1)森友・加計問題(2)厚生労働省『毎月勤労統計調査』の不適切調査の問題(3)沖縄の民意を汲んでいない辺野古問題(4)日米貿易交渉密約疑惑(5)日ロ交渉における北方領土問題(6)イラン訪問中のタンカー被害(7)予算委員会開催拒否(8)アベノミクスの失敗(9)」いずも型護衛艦の実質空母化、防衛省のイージス・アショア配備をめぐる調査の不手際(10)年金2000万円不足問題での財務大臣の金融審議会報告書の受け取り拒否の正当化等、相次ぐ問題をあげた。

 自民党の三原じゅん子議員は「問責決議案を提出するなど全くの常識外れ」と非難し「愚か者の所業とのそしりは免れない」と反論していた。(編集担当:森高龍二)