総理、名簿データ復元努力、内閣府に指示しない

2019年12月11日 07:10

 安倍晋三総理は9日の記者会見で、桜を見る会を巡る総理自身の疑惑について、客観的資料に基づいた説明のため「招待者名簿のデータなどを探し出すよう内閣府に総理自ら指示する考えはないのか」と聞かれ「内閣府があらかじめ定められた手続に則って適正に廃棄している。様々な指摘を踏まえて、菅義偉官房長官が内閣府に確認させた結果、データの復元についても不可能であるとの報告を受けた」と述べ、指示しない姿勢を見せた。

 またマルチ商法まがいで高齢者に被害を出し経営破綻したジャパンライフの山口元会長との関係について「個人的な関係は一切ない」と国会答弁したことの確認をされ「過去において、私が招待された多人数の会合等の場で同席していた可能性までは否定しませんが、山口氏と1対1のような形でお会いしたことはない。個人的な関係は一切ない」と改めて述べた。

 安倍総理は父親が外務大臣だったおり、外務大臣秘書官として山口元会長らと渡米していることが父親の当時の国会答弁で明らかになっているが、このことには触れず、国会答弁をそのまま述べた。

 総理の説明に疑問符がついている点にはさらなる説明をする姿勢は見せず、今後の問題については「招待者の基準が曖昧で招待者の数が膨れ上がってしまった。国民の皆様から、様々な御批判があることは十分承知している。公費を使う以上、運用を大いに反省し、来年度の開催を中止するとともに、自身の責任において招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討するほか、予算や招待人数も含め、全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行っていく」と一般論で答えた。

 総理が公費で主催する桜を見る会を巡っては安倍総理が地元後援会の組織強化、会員拡大に利用した「行政の私物化」問題やジャパンライフの元会長を招待したのが総理枠でのものではなかったか、など疑惑は払しょくされないままになっている。

 このため立憲民主党など野党は予算委員会での一問一答での質疑や国会延長を求めたが与党がことごとく拒否。9日、国会を閉じた。

 日本共産党の志位和夫委員長はツイッターで「桜疑惑の逃げ切りは絶対に許さない。日本の民主主義がかかった大問題、閉会中審査も含め、疑惑の徹底追及を最後までやり抜き、安倍内閣を総辞職に追い込む」考えを発信している。(編集担当:森高龍二)