美魔女の秘訣はクレオパトラの美容法? アピセラピーがブームの兆し

2020年01月20日 08:13

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世界三大美女の一人といわれるクレオパトラがはちみつを美容薬として使っていたというのはあまりにも有名な話だ

 今、美容に関心が高い女性たちの間で「はちみつ」が話題になっているのをご存じだろうか。はちみつといえば、古来より伝わる健康食品の王様。美味しくて、ビタミンやミネラルが豊富なだけでなく、医薬品の原料としても使われている。そして、極めつけが、ラテン語でミツバチを意味する「アピ」の名を冠した、「アピセラピー」といわれる、はちみつを原料としたスキンケアだ。

 世界三大美女の一人といわれるクレオパトラがはちみつを美容薬として使っていたというのはあまりにも有名な話だが、日本でも平安貴族の間で大流行したことを記す文献が残っているのだとか。そして千数百年の時を経てまた、日本のたちの女性たちの間で今、アピセラピーブームが起こり始めている。とくに熱い注目を向けているのが、30代以降のいわゆる「お肌の曲がり角」を迎えたマダムたちだ。

 若い世代の人たちは、やはり知名度やブランド、CMなどに左右されてしまうが、そういう経験を一通り終えた世代は、自分の肌に合ったもの、実感を得たものに落ち着いていくのだろう。

 朝の人気情報番組「ZIP!」にて、美魔女コンテスト優勝者に密着したが、はちみつを愛用して若さを保っていることを明かし、会場にどよめきが走った。放送後はおそらく、インターネット界隈も賑わったのではないだろうか。

 はちみつは、蜜源となる花によって味も成分も異なる。彼女が愛用していたのは、抗菌作用を多く含むといわれるオーストラリア産の「マヌカハニー」。そして、はちみつの一般的なイメージを打ち破る、独特の黒っぽい色合いが印象的な「そば蜂蜜」。この「そば蜂蜜」の黒色は、鉄分が多く含まれている証拠だという。またミネラルやカリウム、ルチンなどの栄養も、通常のはちみつよりもたくさん含まれているそうだ。さらに、そば蜂蜜と対照的な純白のはちみつ「ホワイトハニー」。

 件の美魔女は、これらのはちみつをフェイスパック、ヘアパックのみならず、歯磨きにまで使い分け、注目を集めていた。しかし、これは決して奇をてらったものではない。

 養蜂業大手の株式会社山田養蜂場の社内研究機関である「みつばち健康科学研究所」が、歯垢の状態を試験管内で再現する方法を用いて、さまざまな種類のはちみつによる作用を調べたところ、はちみつには歯石を構成するリン酸カルシウム形成(特にハイドロキシアパタイト(HAP)の形成)速度を抑制する効果があることが確認されたというのだ。同研究所の報告では、 甘露、ローズマリー、ペーターソンカース、ユーカリ、ラズベリー、ベニバナ、ペパーミント、コーヒー、レンゲ、百花の10種類のはちみつにその効果が見られ、なかでも、暗黒色や褐色など濃い色になるほどHAPの形成に対する抑制力が強いという傾向が示されており、とくに歯石を抑制する効果があるという。美魔女がこのエビデンスに基づいてスキンケアを行ってきたのかどうかは分からないが、いずれにしても、科学的根拠の裏付けがあるということには間違いない。

 ただし、山田養蜂場によると、はちみつをアピセラピーとして利用し、美容効果をきちんと発揮させるには、高温などで「酵素が失活」していない、本物のはちみつを選ぶことが重要だという。ちなみに同社では、酵素を保つために、世界で初めてワインと同様のコンテナを使用し、温度管理を徹底している。

 ここ数年、美容業界でじわじわと熱を帯びてきた、はちみつブーム。今年は一気に花が開きそうだ。(編集担当:藤原伊織)