JNTO(日本政府観光局)の統計によれば、今年3月に訪日外国客数は3月としては過去最高を記録し、インバウンド消費も順調に増加している。小売業界もインバウンド需要獲得に様々な努力をしている。その中でもドラッグストアのインバウンド消費が旺盛な訪日需要に支えられ好調なようだ。
市場調査業のトゥルーデータは先月27日、全国ドラッグストアのPOSデータによるインバウンド消費動向調査の結果を発表した。今年3月時点でのドラッグストアにおけるインバウンド消費購買件数(1店舗あたりのレシート枚数)は1店舗あたり1,845件で前年同月の1062件と比べ73.8%増加し、15年に調査を開始して以来、過去最高となった。1レシートあたりの購買単価も好調で前年同月比9.4%増の1万6109円と2年半ぶりに1万6000円台に回復した。
中でも化粧品が特に好調で、売れ筋ランキングのトップ30の半数を占めている。このうち、UVケア商品が7商品ランクインしている。1位は「アネッサ パーフェク、UVスキンケアミルク、60ml (資生堂)」で「アネッサ」シリーズは中国でラッキーカラーとされている金色パッケージを用いていることが人気の要因と考えられている。夏にむけてUVケア商品は更なる成長が見込まれる。
売上個数のトップ5は、1位が「アネッサ、パーフェクトUV、スキンケアミルク、60ml (資生堂)」、2位「サンテFX、ネオ、12ml (参天製薬)」、3位「ビオレUV、アクアリッチ、ウォータリーエッセンス (花王)」、4位「薬用リップクリーム、1.5g (DHC)」、5位「アンパンマン、ペロペロチョコ、1本 (不二家)」となっている。
この調査でサンプルに用いられた「インバウンド消費」の店舗とは、「銀聯カードが利用可能」、「外国人観光客が多く集まる観光エリア」など複数の条件を満たした店舗で、その「インバウンド店舗」の購買情報をもとに「1レシートあたりの購入金額が5,000円以上(免税対象)」の購入といった条件によってインバウンド消費が特定されている。
JNTOの統計を見る限り、訪日客の引き込みは計画を上回るスピードで実績を上げているようだ。こうして生み出された潜在需要を民間努力によってどのように消費購買、売上、付加価値に転換していくかというステージに入ったと言える。(編集担当:久保田雄城)