金品受領で修正申告納税分まで補填の呆れた姿勢

2020年03月18日 06:19

 関西電力は原発停止に伴う大幅赤字を理由に役員報酬を引き下げ、引き下げたことも理由に電気料金の引き上げを二度にわたり行ったが、電気料金引き上げ後、秘密のうちに18人の役員に対し補填していたことが第三者委員会の調査でわかった。補填は2015年当時の森詳介会長と八木誠社長が決めたといい、補填総額は2億6000万円にものぼる。補填は2016年から昨年秋まで続いた。

 また福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から1億円を超える金品を受領した元副社長の豊松秀己氏に対し国税局の指摘を受け修正申告した際の納税分が補填されていたことも分かった。

 報告によると豊松氏は副社長退任後に同社の「エグゼクティブフェロー」に就任し、毎月490万円の報酬を受け取ってきたが、このうち30万円は修正申告で行った納税分を補填するためのものだったという。

 関西電力はこれら補填分について元役員らに対して返還を求めるとしているが、社会通念感覚から大きくズレる「関電体質」に呆れる声もでている。

 関西電力では代表取締役社長岩根茂樹、相談役(元会長)森詳介、嘱託(前会長)八木誠、嘱託(元副社長)豊松秀己の4氏が14日付けで辞任。代表権を持つ5人の副社長執行役員と取締役常務執行役員1人が減給20%(3か月)の報酬返上となったが、新執行部の下、どこまで信用回復につながる取り組みを形にできるか、経済産業大臣からの業務改善命令も受けて、トップの強い倫理と指導力が求められている。

 関電は「業務改善命令を真摯に受け止め、14日設置した経営刷新本部において再発防止対策を取りまとめ、業務の改善計画を3月末までに提出するとともに、必要な取り組みについて株主総会の開催などにより速やかに決定および実行し、状況について6月末までに報告する」とし「今般の事態により、お客さまや社会の皆さまからの信頼を裏切り、多大なご迷惑をおかけしていることについて心よりお詫び申し上げます」としている。(編集担当:森高龍二)