3272人が関電役員らを特別背任罪等で告発

2019年12月15日 09:58

 関西電力の役員ら20人が福井県高浜町の元助役から総額3億2000万円もの金品を受領していた問題で、13日、弁護士ら3272人が告発人となり、関電役員ら12人を特別背任罪や贈収賄罪の疑いで大阪地検に告発した。

 告発状では「役員ら12人は、福井県高浜町の元助役森山栄治氏等から金品を受け取ったが、森山氏は関西電力の原発関連工事を請け負う高浜町内の建設会社吉田開発から受け取った金を原資に当てていたことが金沢国税局の税務調査で明らかになっている」と指摘。

 「原発関連工事として支出した金が役員に還流していたことは明らかで、不当に工事費が吊り上げられ、会社に損害を与えていた特別背任の疑いがある」としている。

 また告発者らは「原発マネーの還流がどのように行われていたのか、高浜原発以外ではなかったのか、政治家への不正な資金の流れはなかったのか、真相を解明しなければ再発防止もままならない。そのためには関電が設置した第三者委員会だけではなく、国会が国政調査権を行使して解明に動くことや強制的な権限を持った捜査当局が動く必要がある」と述べ「吉田開発や森山氏の遺族への取り調べや押収、捜索、税務署からの事情聴取は検察でないとできない」と告発に至った背景を述べている。告発者の多さが関電への怒りを表している。(編集担当:森高龍二)