セバスチャン・オジエ／ジュリアン・イングラシア組（ヤリスWRC17号車）が今シーズン初優勝を果たし、ドライバー選手権の首位に立った
2020年FIA世界ラリー選手権（WRC）第3戦ラリー・メキシコの競技最終日が3月14日、メキシコのレオンを中心に行なわれた。結果はTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ／ジュリアン・イングラシア組（ヤリスWRC17号車）が今シーズン初優勝を果たした。
エルフィン・エバンス／スコット・マーティン組（ヤリスWRC 33号車）は総合4位で、カッレ・ロバンペラ／ヨンネ・ハルットゥネン組（ヤリスWRC 69号車）は総合5位でフィニッシュした。
ラリー・メキシコ戦は、本来3月15日まで4日間競技が行なわれる予定だった。しかし、新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、多くの国で渡航および入国制限が厳しくなり、選手やチームなどWRC関係者が安全かつスムーズに帰国できるよう配慮。会期が1日短縮され、土曜日の最終ステージであるSS21をもってフィニッシュとなった。
2日目で総合2位のライバルに対して13.2秒差を付けて首位に立ったチーム・トヨタのオジエ選手は、最終日オープニングのSS13「グアナファティート1」で、今大会4回目となるベストタイムを記録。その結果、午前中のステージが終了した時点で差は28.3秒に広がり、午後のステージではベテランらしい確実性の高い走りを続け、デイ2のSS4以降1度も首位の座を譲ることなく、チーム・トヨタ加入後最初の勝利を手にした。
これで、ラリー・メキシコでのオジエの度ランバーとしての優勝は、過去8年間で6回目を達成した。なお、今回の優勝でオジエは、チームの盟友・エバンスに替わってドライバー選手権の首位に立った。
エバンスは2日目、不利な先頭スタートを担ったものの力強くラリーを戦い、総合4位でラリーを戦い終えました。いっぽう、19歳のロバンペラにとって、WRカーでのラリー・メキシコ出場は今回が初めてだったが、金曜日の2日目が終了した時点で2.7秒差の総合5位につけていた。土曜日は不利な先頭スタートとなり、思うようにタイムが伸びなかったが、安定した走りを続け総合5位でフィニッシュ。開幕戦から3戦連続でトップ5以内に入っている。
豊田章男・チーム総代表は、ラリー・メキシコを終えて「今回の大会開催にあたっては、主催者をはじめとする地元の皆様が、大会をより安全に開催できるように配慮されていたと聞きました。ファンの皆様にラリーを楽しんでいただけたのも、彼らの懸命な働きによるところだと思います。本当にありがとうございました。また、選手達はファンといつもより距離を置かざるをえなかったとも聞きました。そんななかでも、精一杯のファンサービスをしてくれたドライバー達の姿を大変嬉しく思います」と述べた。
加えて「次戦のアルゼンチン戦の延期も発表されていますが、ヤリスWRCが元気に走る姿をファンの方々に見ていただける日が、一刻も早く訪れることを願っております」とも。
■以下、ラリー・メキシコの結果
1）セバスチャン・オジエ／ジュリアン・イングラシア（トヨタ ヤリス WRC）
2）オィット・タナック／マルティン・ヤルヴェオヤ（ヒュンダイ i20クーペ WRC）
3）テーム・スニネン／ヤルモ・レーティネン（フォード フィエスタ WRC）
4）エルフィン・エバンス／スコット・マーティン（トヨタ ヤリス WRC）
5）カッレ・ロバンペラ／ヨンネ・ハルットゥネン（トヨタ ヤリス WRC）
6）ポントゥス・ティディマンド／パトリック・バース（シュコダ・ファビア R5）
WRC次戦は、第4戦として4月23日から26日にかけて「ラリー・アルゼンチン」の開催が予定されていた。しかし、世界的に蔓延する新型コロナウイルスの影響により大会は延期となった。そのため、5月21日から24日にかけて開催予定の「ラリー・ポルトガル」が次戦となる。ラリー・ポルトガルはメキシコに続く今シーズン2回目のグラベルラリーとなり、今年もポルト近郊のマトジニョスにサービスパークが置かれる。（編集担当：吉田恒）
