関東ではゴールデンウィーク期間中、連夜震度4レベルの地震が続いているが災害はいつ発生するか分からない。緊急事態宣言が延長され、自粛生活で家族が自宅に集まっている今だからこそ、防災について家族で話し合う良い機会ではないだろうか。
例えば、もしも今の状況で何か大きな災害が発生してしまった時、まず懸念されるのが避難所の「3密」だ。災害時の避難所には、密閉、密集、密接のすべてが揃ってしまっている。岐阜県や鳥取県、千葉市など、すでに避難所のガイドラインを改定するなど、対策に乗り出している自治体もあるが、地域の避難所のことぐらいは自身や家族でも把握しておくべきだろう。
その為にも、まずはハザードマップを確認することをお勧めしたい。避難所しか選択肢がない場合は仕方がないが、歩いていける範囲に親戚や友人、知人宅があるような場合には、相互で事前に相談しておいて、お互いの避難先の選択肢に入れておくという方法もある。
また、いずれにしても、非常用の持ち出し袋の確認はしておきたい。通常の避難グッズに加え、今はマスクや体温計、衛生用品なども準備しておきたいところだ。段ボールなども用意しておけば、避難所で飛沫感染を少しでも防げるかもしれない。
そして最も大切なことは、もしも災害が発生した時の対応を家族で共有しておくことだ。災害発生後の集合場所はもちろん、もしも避難中にはぐれてしまったり、バラバラに避難したときも想定して、翌日以降の集合時刻も決めておくといいだろう。地震災害などの場合、はぐれた家族を探しに行って二次災害に見舞われてしまうケースも少なくない。さらに携帯電話以外の連絡手段や安否の確認方法も、いくつか考えておきたい。
地域によっては、災害時に心強い支援施設になる場所もあるので、調べておくと安心だ。例えば、住宅メーカーのアキュラホームは全国に展開している自社の住宅展示場のいくつかを災害時に地域の人たちに電力や水、備蓄品などの供給を可能とする災害時支援施設として提供している。
これら同社の展示場では日産自動車販売会社と協定を結び、常に日産の電気自動車リーフを配備。蓄電量40kwhの大容量蓄電池を利用すれば、災害発生時に約6000人以上の携帯充電が可能になる。また、同社では災害時の非常用水を確保する目的で井戸を住宅に設置することを推奨しており、拠点によっては、この井戸水を利用して、トイレ用水などに活用することもできる。さらに同施設に避難してきた人に対して、飲料水や防寒グッズ、使い捨てカイロなどの災害備蓄品の無料提供や、一時帰宅困難者へのPC 利用無料開放、近隣避難所マップの配布なども実施するという。
アキュラホームではすでに、埼玉県久喜市のモラージュ菖蒲展示場や茨城県つくば市研究学園のアキュラホームつくば支店などの4拠点を災害時支援施設として発表しているが、2020年4月30日、神奈川県横浜市の二俣川展示場、千葉県柏市のかしわ沼南展示場の2拠点が、日産プリンス神奈川販売株式会社及び千葉日産自動車株式会社と災害連携協定を締結し、新たに災害時支援施設に加わったことを発表した。もしも災害が発生してしまったときには、近隣地域の人にとっては心強い支えになるに違いない。
大きな災害が発生した直後は世間の防災意識も高くなるが、しばらくすると薄れてしまう。しかも今は新型コロナウイルスで世間の話題が持ちきりだ。しかし、自然災害はいつ発生してもおかしくない。備えていれば回避できるような被害でも、備えていなければ大きな後悔につながることもある。在宅時間の長い今だからこそ、想定外の災害にも目を向けて、しっかりと備えておきたいものだ。(編集担当:藤原伊織)