検察官の定年延長を図る検察庁法改正法案を国家公務員法改正との一括法案で扱い、成立を狙う政府・自民党に対する批判が野党政党はじめ、国民の中からも抗議する声が相次いでいる。
国民民主党の原口一博国対委員長は11日記者会見で「検察庁法の立法趣旨にも反する」としたうえで「検察官同一体の原則にも反する不法かつ不急のもの」と政府・与党を非難。検察庁法改正案が成立すれば検察の人事に政権が介入する危険を指摘し、特に「(検察の)『忖度見逃し』と『国策逮捕』。そんなことをさせるわけにはいかない」と阻止の必要を強調した。
立憲民主党の安住淳国対委員長は「政府による恣意的人事が行われかねず、認められない」と撤回を自民党の森山裕国対委員長に求めた。同党の枝野幸男代表は政府・与党の対応を「火事場泥棒といわれても仕方がない」と最高の表現で抗議した。
日本共産党の志位和夫委員長はツイッターで「コロナ危機のもと、緊急事態宣言を発令している最中に、三権分立と法治国家の根本をゆるがす法案成立を急ぐ理由は皆無」としたうえで「首相は、かつて例をみないツイッターデモの声(500万件を超える抗議件数)を、受け止めるべき」と真摯に国民の声に耳を傾けるよう求めた。
社会民主党の吉田忠智幹事長も「政府・与党は国家公務員の定年延長法案から『検察官の任期延長』部分を削除する野党の修正案を受け入れるべき」と見直しを強く求めている。福島みずほ党首もツイッターで「検察官を官邸の『しもべ』にしてはならない」と訴えている。まさに、その危機の中にある。(編集担当:森高龍二)