官邸介入事態になりかねない「検察官定年延長問題」。新型コロナウイルス感染症対応に行政、地方自治体、企業、国民が意識をとられる中、こともあろうか、森雅子法務大臣の出席のない中、8日、衆院内閣委員会で実質審議に入った。
自民党が森大臣の出席を求める野党の求めを拒否したためだ。立憲民主、国民民主、共産など野党は委員会を欠席して抗議した。重要案件を法務大臣抜きに審議しようとする政府・与党の対応は絶対に許されない。
検察官の定年を63歳から65歳に延長する「検察庁法改正案」は政府介入を許し、官邸に対し忖度させてしまう危険性がある。また黒川弘務東京高検検事長の定年延長問題に至っては法解釈を口頭決裁で行ったなどという経緯など不可解な問題が指摘されてきた。
野党側は衆院内閣委員会の質疑に森法務大臣の出席が必要とし、衆院法務委員会との連合審査会を求めたが、自民が拒否。自民は公明と日本維新の会だけで審議を進める暴挙に出た。
日本共産党の塩川鉄也衆院議員は同日ツイッターで「検察の独立性を侵す検察庁法改定案。与党は内閣委で審議を強行。野党は抗議の記者会見。野党は国家公務員法と検察庁法の審議は切り離せと要求したが与党は拒否。森法務大臣の出席要求も拒否。コロナ対策に最優先で取り組むときに『火事場泥棒』的に国家権力の私物化をはかる法案強行は断じて認められない!」と怒りを発信した。国民の懸念を無視した審議は許されない。(編集担当:森高龍二)