雇用優先、最低賃金引上げに総理は慎重姿勢

2020年06月05日 05:47

 安倍晋三総理は3日開いた全世代型社会保障検討会議で今年度の最低賃金の在り方の議論を踏まえて「早期に全国加重平均1000円を目指す方針を決めた閣議決定は堅持する」としたうえで「今は、官民を挙げて雇用を守ることが最優先課題」と述べ、引上げより、雇用堅持に重点を置いたスタンスを強調した。

 安倍総理は「加藤大臣におかれては、中小企業・小規模事業者が置かれている厳しい状況を考慮し、検討を進めていただくようお願いします」と最低賃金引上げに慎重な姿勢を示した。

 安倍総理は「賃上げは成長と分配の好循環を実現する鍵となるものであり、安倍政権として積極的に取り組んできた」とし「最低賃金は政権発足後の7年間で152円引き上げた。昨年度は27円の引上げとなり、現行方式で過去最高の上げ幅となっている。昨年、早期に全国加重平均1000円になることを目指すとの方針を閣議決定した。経済の好循環を回していく上で、賃上げは重要であり、中小企業の取引関係を適正化しつつ、この方針を堅持する」と語った。(編集担当:森高龍二)