日本の最低賃金、フランスの7割の水準

2019年08月02日 07:10

 安倍晋三総理は7月31日開いた経済財政諮問会議で最低賃金について「全国加重平均がより早期に1000円になることを目指し、生産性の向上などを通じて中小・小規模事業者の皆さんが賃金を引き上げられる環境づくりを関係大臣が連携してしっかり進めていただきたい」と最賃の引き上げを小規模事業者まで実現可能な環境にするよう求めた。

 また10月1日からの消費税10%実施について「消費税率の引上げは幼児教育・保育の無償化、年金生活者支援給付金支給など社会保障充実等と安定財源の確保を行うもの」と強調。「引上げに当たっては軽減税率制度の円滑な導入、中小企業の転嫁対策、ポイント還元事業、プレミアム付商品券事業などに万全を期すことが重要だ」と関係閣僚に万全を期すよう求めた。

 最低賃金の引き上げについては中央最低賃金審議会が引き上げの目安額を全国加重平均で27円として答申。目安額通りに決まれば全国加重平均最低賃金は時間当たり901円となる。今後、目安額を踏まえて地方毎の審議会で改定額が議論される。

 ただ、最低賃金額はフランス(1248円)、イギリス(1161円)ドイツ(1144円)に比べ、日本は「874円」とフランスの7割。27円上げても901円とフランスの72%にとどまる。1000円になるのに何年を要するか。

 日本も諸外国のように雇用形態にかかわらず一般労働者も短時間労働者等も特定の職務(ポスト)採用とし「職務給」を適用するように切り替えることの検討も必要だ。(編集担当:森高龍二)