新型コロナ不況、「小売」は回復、「外食」「娯楽」回復傾向。「旅行」は下げ止まり

2020年06月24日 06:40

画・TDB景気動向、5月が底か。急激な収縮に歯止め。後退傾向は下げ止まり。

JCBが国内消費動向指数「JCB消費NOW」5月を公表。「外食」「交通」「娯楽」は5月前半より回復傾向

 緊急事態宣言が全国解除されてから1カ月が経過する。東京ロードマップも前倒しで解除が推し進められて19日には全面解除となった。これで全国民が通常の経済生活に戻ったことになる。しかしウイズコロナという言葉もあるように人々は未だ新型コロナへの感染を警戒しており完全にコロナ以前に戻ったとは言えないであろう。

 この数か月、新型コロナに関連して人々の消費動向はどのような推移をたどったのであろうか。これに関し、JBCとナウキャストがクレジットカード取引データを活用し消費動向を捉える国内消費動向指数「JCB 消費NOW」を公表しているが、15日にこの5月分までの速報を公表している。

 レポートによれば、3月前半以降は新型コロナの影響を受けほぼ全ての業種で消費は減少傾向で推移してきた。全総合、小売総合、サービス総合について見ると、全総合とサービス総合では4月後半が底となっており、その後5月前半より改善基調で推移している。比較的ダメージの少なかった小売総合は5月後半に2月後半以来はじめてプラスの状態まで戻している。

 さらに新型コロナの影響で大きく落ち込んだ業種である外食、交通、娯楽、旅行について見ると、外食、交通、娯楽については3月前半から大きく減少しはじめ、4月後半にマイナス60~70%程度の大幅なマイナスで底を打っている。5月前半からは緩やかな回復傾向となり5月後半ではマイナス50%程度まで戻している。

 一方、旅行はコロナが話題となり始めた2月当初から大幅な減少で推移しており、4月後半に底を打ったと言えるがマイナス90%超という致命的減少で、その後5月前半、後半とわずかに改善傾向に転じているようであるがマイナス90%程度で下げ止まっている現状だ。

 百貨店、喫茶店・カフェ、居酒屋、ファミレスは3月より減少し4月後半の底に向かって急激に減少したものの5月前半からは大幅に回復し5月後半で5割減まで戻している。ただし居酒屋については7割減程度で回復速度は遅くなっている。

 逆に外出自粛で家飲みが増加したためか酒屋と在宅時間が長くなったため電器・ガス・水道等は増加傾向で推移してきたが、5月前半をピークに後半には減少に転じている。しかし、酒屋は微減で高止まりの状態で、5月後半でも居酒屋などの外飲みを控え家飲みする傾向が少なくないのかも知れない。全体として改善傾向は顕著に表れているが完全回復までは今しばらく時間がかかりそうだ。(編集担当:久保田雄城)