5月25日に緊急事態宣言が全面解除されてから1カ月近く経つ。今のところ再流行の兆候は見られない。東京都でもロードマップに従い段階的に休業要請の解除が進められ19日にはステップ3に至り全面解除となった。
これで日本全国が通常の経済状態に戻ったことになるが、とはいえ新型コロナウイルスに対する特効薬やワクチンは未だ未開発で有り、現状はウイズコロナの状況とも呼ばれる。緊急事態宣言や休業要請も全面解除され人々は元の生活に戻ったことになるが、現在人々の行動様式はどのようなものになっているのであろうか。
12日、マーケティング調査業のマクロミルが全国の20~60代の男女1000名を対象に毎週実施している意識調査を基に「新型コロナウイルスが消費者心理に与える影響について」時系列分析した結果を公表している。
まず、消費意欲を示す消費マインドの推移を見ると、指数50を増減の境として2月3週まで50を超えて増加傾向で推移していたものが、自粛要請が発表された4週に下降に反転し3月1週には50を下回って消費マインド減少となっている。
底になっているのは4月の2週で3週より上昇に転じ5月2週には50を上回って消費マインド増加となっており、直近データ6月1週では55.8と昨年の53.0を上回る水準まで回復している。1週間の個人消費金額でみると6月1週で昨年が1万4500円であるのに対して今年が1万3100円と1400円低く完全には戻りきってはいないようだ。
次にテレワークの実施状況を地域別に見ると、6月1週の全国平均が22.5%に対して1都3県では40.2%となっている。同じく京阪神では19.6%、中京圏では12.3%、その他の地域では12.8%となっており東京圏でのテレワーク実施率の高さが目立つ。
時系列推移を見ると、全国平均では5月13日の週が26.1%とピークになっており、その後解除に向けて減少傾向で推移しているが、1都3県ではピークが5月20日の週の44.4%であるものの、その後の顕著な減少傾向は見られず横ばいから微増傾向を維持しているようだ。ちなみに、京阪神、中京圏、その他の地域は5月の初旬から中旬をピークに減少傾向へと転じている。
1都3県でテレワーク率が高止まりしている要因としては東京アラートやウイズコロナのフェイズの中でテレワークという勤務形態がある程度定着したのかも知れない。(編集担当:久保田雄城)