高市早苗総務大臣は地方公務員共済の昨年度の運用益が1兆円あまりの損失になったことについて記者団の問いに「年金の積立金は長期的観点から運用していくことが重要で、短期的な動向に過度にとらわれることなく、長期的な観点から安全かつ効率的に運用を進めていくべきものだ」と単年度あたりの収益増減に一喜一憂するものではない旨を強調した。
高市大臣は「(昨年度は)運用利回りを表す収益率がマイナス4.81%、運用収入額を表す収益額がマイナス1兆138億円と平成17年10月の被用者年金一元化以降、初めてマイナス収益となった」と説明した。
その要因には「年度末にかけて、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による景気や企業業績への懸念の高まりといったことを背景に、内外株式市況が悪化したことなどによると承知している」と述べた。
高市大臣は「地方公務員共済は平成13年度以降の19年間における累積収益額が約18兆5000億円となっている」とし、単年度で1兆円の欠損が出ても、累積では17兆円強の黒字だとの旨をアピールした。(編集担当:森高龍二)