新型コロナウイルスの流行は、我々の生活様式を大きく変えた。もっとも身近な変化は、マスクの着用と手洗いうがいの励行だろう。しかし、感染防止に勤しむ一方で、別の悩みも噴出している。その悩みの一つが「手荒れ」だ。
現在、スーパーマーケットや飲食店、ショッピングモールなどの生活の場をはじめ、オフィスの入り口や受付にも必ずと言っていいほど、消毒液が設置されている。withコロナの社会では、施設に出入りするときには、この消毒液で手を清めることがマナーであり、常識となってしまった。ところが、この消毒液に高濃度で配合されているエタノール(アルコール)は、ウイルスや菌に対して高い抑制効果が期待できるとされている反面、皮膚から必要な油分を奪ってしまう作用がある。つまり、手を消毒すればするほど、手指が乾燥し、肌荒れを起こすリスクが高まるのだ。もちろん、アルコールの配合量や有効成分などさまざまなので一概には言えないものの、コロナが流行してからとくに肌荒れが気になるようになったという人は、ハンドクリームなどでのケアをこまめにするよう、心がけた方が良さそうだ。
この問題に対し、美容品メーカーや医薬品メーカーなども動き出している。
例えば、化粧品メーカー大手の資生堂〈4911〉は、これまで医療機関向けに提供してきた手荒れに配慮した手指消毒液「手指消毒用エタノール液(500ml)」と「手指消毒用エタノール液(つけかえ用)(500ml)」の2商品を8月上旬から、東京都の化粧品専門店やドラッグストア、スーパーマーケットなどの店舗で一般向けに発売を開始する。
同商品はさらっとした液体タイプで、すぐに乾く、速乾性手指消毒剤だ。保湿成分としてグリセリン、トリイソオクタン酸グリセリンを配合することで、肌荒れのリスクを軽減するという。
また、抗ウイルス効果などで今、絶大な注目を集めている「蜂蜜」の専門家である株式会社山田養蜂場は、同社のコスメブランドであるアピセラピーコスメティクスにおいて、新たに「ウィルスキンクリア」シリーズを立ち上げ、同シリーズの第一弾商品としてコスメ感覚のアルコールハンドスプレー「ウィルスキンクリア アルコールハンドスプレー 80」を9月1日から新発売することを発表している。
ウィルスキンクリアは、同社の化粧品開発チームが、ミツバチの持つ自然の力を研究する、同社の研究機関であるみつばち健康科学研究所とタッグを組み、コスメ発想で開発するシリーズとのこと。
専門機関による科学的な根拠に基づくコスメ商品とあって、早くも期待が高まっている。
そんな「ウィルスキンクリア アルコールハンドスプレー 80」は、しっかり手指の清潔を保つために、エタノール濃度80%と高濃度ながら、安価な工業用アルコールではなく、植物物原料由来の食品用アルコールを使用しているので肌にやさしいという。もちろん、無香料、無着色、無鉱物油、パラベン(防腐剤)無添加だ。そして、うるおい保湿成分としてはミツバチ産品の専門家らしく、国産はちみつ、ローヤルゼリー、ユズセラミドを贅沢に配合。こちらも食品として販売しているものがそのまま使用されているというから安心だ。そして極めつけは、アルコールだけでなく、抗菌力で話題沸騰のマヌカはちみつやローズマリー葉エキスなど、自然の力でウイルスと戦う特別処方となっている点だろう。
現在、世の中では新型コロナの感染者数が一進一退で増加と減少を繰り返している。一日も早い終息を祈るばかりだが、たとえ治まったとしても、しばらくの間は、手洗いなどの感染防止対策は必要になる。秋から冬に向けて、ただでさえ手荒れ、肌荒れの気になる季節がやってくる。ひどくなって悩みを深めてしまう前に、今年はいつもよりも早めのケアを心がけたいものだ。(編集担当:今井慎太郎)