これからの季節、女性にとって大きな悩みの種となるのが「乾燥」だ。冬の間中、リップクリームやハンドクリームが手放せないという人も多いだろう。ロート製薬の店頭販売金額調べによると、2012年度のハンドクリーム市場は約108億円と安定した市場となっている。また、好まれる傾向としては、自分に合ったハンドクリームを使うパーソナルユースが中心となっているほか、ここ数年は男性の需要も増加傾向にあり、同社をはじめとする関係各社から、様々な効能をアピールする男性ユーザー向けの製品も続々と発表され、市場の底上げが期待されるカテゴリーとなっている。
今年のハンドクリーム市場も、各社ともに「保湿」はもちろん、プラスアルファの独自性をもった製品を打ち出している。
たとえば、ロート製薬は人気の「メンソレータム 薬用ハンドベール」ブランドに、肌荒れ防止有効成分「レチノール(ビタミンA油)」を配合した「メンソレータム 薬用ハンドベール 手荒れキメ整うクリーム」を8月からラインアップに加え、とくに毎日の水仕事などによるガサガサ手荒れを防ぎたいという要望に応える商品を展開。安心のメンソレータムブランドということもあって、本格的なシーズンを前に早くも好評を博しているという。さらに、人気の「濃厚こってりクリーム」も処方リニューアル、「美白UVカットクリーム」もパッケージを新たにリニューアルしている。
また、ジョンソン・エンド・ジョンソンからは、極寒の地、ノルウェーの過酷な環境で働く漁師たちが、手荒れのケアに使っていたクリームに着目して開発した「ノルディックベリーシリーズ」シリーズを新発売している。同製品は、商品名にも含まれているように、マイナス40度の厳しい環境の中でもみずみずしく育つベリーの保湿力に着目したハンドクリームで、甘酸っぱく爽やかな香りとともに、しっとりとなめらかな伸びが特長の製品となっている。
一方、常盤薬品工業は、低刺激性化粧品ブランド「ノブ」より、海水のミネラル成分に着目した、高保湿敏感肌用の「ハンドクリーム」をリニューアル発売した。海水を濃縮して得られた独自の保湿成分で、刺激が少なく、とくに敏感な手肌にやさしくうるおいを与えてくれる。無香料なので、香料が苦手というユーザーにも嬉しい。
さらに、花王株式会社からは、「アトリックス」より、夜美容ハンドクリーム「アトリックス ビューティーチャージ ナイトスペリア」が新発売されている。美容液成分ローヤルゼリーエキスを配合した同シリーズは、ハンドクリームユーザーには、すっかりおなじみの商品。ブランドの安心感と信頼で、根強い人気を誇っている。
ひとくちにハンドクリームといっても、各社の製品それぞれにメインに使用している保湿成分やコンセプトも様々であるのが興味深い。いろいろ使ってみて、保湿だけでなく、伸びや香りなど、自分に合うものを見つけるのも楽しみの一つかもしれない。(編集担当:藤原伊織)