日本でも電動バスをしばしば見かけるようになった。日本では2011年頃からコミュニティーバスを中心に電動バスを導入する事例が増え、17年には都バスが燃料電池バスを導入、2020年までに100車両以上の水素式燃料電池バスの普及を目指しているなど、東急、京急等その他バス各社ともに電動バスへのシフトは積極的であると言える。
電動バスが注目されるのはもちろんゼロエミッション(ガス排出ゼロ)で環境にやさしくCO2削減に大きく寄与することにあることは間違いない。しかし一方でコスト面や電動パワートレイン技術(電気エネルギーを駆動輪に伝導する技術)に課題が残されていることも事実だ。
市場調査業のグローバルインフォメーションが市場調査レポート「ハイブリッド・電動トラックおよびバス」 を9月9日に発表しているが、レポートによれば電気バスの世界市場は、EMEA地域(欧州・中東・アジア地域)で18年の650台から19年の1900台へと急増し、特に欧州でバス車両の電動化が加速しているようだ。
COVID-19によるロックダウンで世界の都市の大気汚染が改善されたことは内燃エンジンの使用抑制で環境改善が達成できる事を示している。今後しばらくは内燃エンジンが使用されることが予想されるものの電動化へのシフトは今後大きく進展すると予想され、それを牽引するのが都市バスの電動パワートレイン化だ。
従来の車両用パワートレインは電気モーターの専門家ではなく自動車の専門家である新規参入者によって挑戦を受けている。アクスルマウントモーターは多連結バスを推進するのにも十分なパワーを発揮し、省スペース性にも大きな進歩をもたらす。バスを低くすることができ乗車スペースはより広いものにし、ソーシャルディスタンス新時代も適合する。
EMEA(欧州、中東、アフリカ)では、18年の650台強から19年には約1900台の電気バスが提供されており、欧州の多くの都市でバス車両の電動化が急速に進められているようだ。
BYDのような大手電気バスメーカーの多くは自社で電気モーターを開発している一方、中規模バスメーカーであるSolarisは電気モーターメーカーの利用に注目している。こうした中でメーカー各社の激しい市場シェア争奪戦が繰り広げられており、電動バスの世界市場の拡大は今後ますます加速すると見込まれる。(編集担当:久保田雄城)