30年の訪日旅行者6千万達成めざす 官房長官

2020年10月01日 06:40

 加藤勝信官房長官は29日の記者会見で、自らが座長を務める観光戦略実行推進会議で「菅総理から感染対策を講じつつ、当面、観光需要を回復させるために必要となる政策プランを、観光庁を中心に年末までに策定するよう指示があった」と述べた。

 そのうえで加藤官房長官は「会議座長(議長)として、2030年訪日外国人旅行者数6000万人などの目標達成に向け、省庁の縦割りを越え、感染対策との両立を図りながら官民一体となって取り組んでいく考えだ」とした。

 外国人による訪日観光客は2013年にビザの戦略的緩和や航空・港湾機能の強化など受け入れ態勢の拡大などで毎年増加し、2013年の1036万人から2019年には3188万人までに増加し、過去最高になった。

 一方で新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、観光庁の宿泊事業者への調査で、今年の宿泊予約状況の推移は前年同月比4月、5月は7割以上減少したとの回答が8割から9割近くになった。6月以降は自治体のキャンペーンやGoToトラベル事業などで回復傾向にあるが、それでも8月時点で7割以上減少とする回答が26%あった。

 観光庁によるとGoToトラベル事業の利用者は8月末までで1339万人となり「多くの自治体から高い評価を受けている」としている。政府は「今後、宿泊施設の高付加価値化や新たなビジネス展開、事業再生の支援等で観光産業の収益力向上、デジタルトランスフォーメーションの推進による観光サービスの変革を支援する」方針。(編集担当:森高龍二)