アジア最大級「CEATEC 2020 ONLINE」 参加企業・団体300超えで10月20日から開催

2020年10月11日 07:28

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これまでCEATEC には参加したことがないという人も、オンライン開催の機会にぜひ、「CEATEC 2020 ONLINE」のサイトを訪れていただきたい

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界各地の大規模イベントが次々とオンライン化されているが、毎年10月に幕張メッセで開催されてきたアジア最大級の規模を誇るIT技術とエレクトロニクスの国際展示会「CEATEC」も、2020年は10月20日(火)から23日(金)の4日間にわたり、オンラインで開催されることが決定している。

 オンライン開催と聞くと、どうしても規模が縮小されるようなイメージを持ってしまうが、そこはさすがにアジア最大級の見本市。CEATEC実施協議会が10月1日に発表した出展概要によると、すでに300を超える企業や団体が出展を予定しているようで、リアル開催にも引けをとらない賑わいを見せそうだ。また、通常開催ではお馴染みの自動車分野や機械分野などの大手メーカーはもちろんのこと、今回は電機メーカーや部品メーカー、ソフト関連企業の出展も例年以上に多くなりそうで、オンライン開催ならではの様相が垣間見える。

 主催者も、オンラインでお茶を濁すといったような軽薄な気持ちはさらさら無いようで、むしろオンラインでの開催を前向きにとらえ、老舗イベントのさらなるステージアップにつながる良いキッカケと考えているようだ。その想いは今回のCEATECのコンセプトである3つの提案、「New Normal(ソサイエティ5.0の実現と共に新たな社会への提案)」「Digital Transuformation(オンライン開催ならではのDX実現の提案)」「Anytime & Anywhere(いつでも、どこからでも参加できる新たな枠組みの提案」にも現れている。また、出展者の情報をランダムで表示する「CEATEC GO(シーテック ゴー)」というオンラインならではの機能を導入するなど、臨場感を盛り上げる演出も工夫されているのだ。

 オンライン展示会は、ライブの迫力こそないものの、在宅でも見学に訪れることができるのが大きな魅力だ。無料で入場事前登録をするだけで、わざわざ幕張メッセに出向く必要もないので、遠方の人や、まとまった時間がとれないような忙しい人も気軽に参加することができる。とはいえ、300を超える企業や団体のブースが一つのウェブサイトにひしめくのだから、ある程度は、訪れておきたい出展ブースやセミナーに目星を付けておいたり、注目すべき企業の出展内容は事前にチェックしておいた方がいいだろう。

 そこで、今年注目すべき展示を少し、紹介しておきたい。

 まず、アフターコロナの社会で需要が高まるとみられるIoT技術や5G、高精細映像技術では、ソニー〈6758〉が12本の映像を用いて最先端の技術を紹介するというから、大いに期待したい。

 同社で公開される予定のビデオは、スポーツ系2本、エンタテインメント系6本、さらには社会課題の解決をテーマにした映像が4本となる。スマホのカメラでも映画レベルの映像技術を続々と発表して話題となっているソニーが、「ホークアイの画像解析技術とトラッキングシステム」「ソニーPCLに新設されたバーチャルプロダクションラボ」「空間をまるごと撮りこむボリュメトリックキャプチャ技術」「AI処理機能を搭載したインテリジェントビジョンセンサー」などのテーマのもと、どんな未来を見せてくれるのだろうか。

 一方、シャープは AIとIoT機器によるビッグデータの活用や、超大型ディスプレイによるエンタテインメントなどのほか、遠隔コミュニケーションなどを支える要素技術、スマートシティやSDGsの目標達成に向けた「ニューノーマル時代のデジタルまちづくり」などを紹介するという。公式Webページ内「e-SHOWROOM」とも連携することで、オンライン開催ならではの展示が楽しめそうだ。

 また、電気自動車の普及に伴って需要が伸びている、パワー半導体デバイスで知られる半導体メーカー大手のローム〈6963〉も出展を表明。ロームが得意とするパワー技術とアナログ技術を中心に、あらゆる電子機器の省エネ・小型化に貢献する半導体、電子部品を提案するという。関係者でなくとも、部品レベルの最先端を知ることで、未来の自動車や家電、産業機器の進化が見えてくるのではないだろうか。

 他にも、魅力的な展示は300以上もある。これまでCEATEC には参加したことがないという人も、オンライン開催の機会にぜひ、「CEATEC 2020 ONLINE」のサイトを訪れていただきたい。(編集担当:今井慎太郎)