防衛費の肥大化続く、7年連続で過去最高額更新

2020年12月23日 06:31

 政府は21日、21年度予算案を閣議決定した。一般会見歳出総額は106兆6097億円と今年度当初予算(102兆6580億円)に比べ、3兆9517億円、率にして3.8%の増加と新型コロナウイルス感染症拡大に伴う対策費の必要もあり、過去最大になっている。特に防衛費は5兆3422億円と今年度当初より289億円増加し、7年連続して過去最高額を更新する「防衛費の肥大化」が進んでいる。

 背景には陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」代替策として「イージス・システム搭載艦」2隻建造や最新鋭ステルス戦闘機F35Bの搭載を想定した護衛艦「いずも」の空母化(20年度)に続いて、新年度では護衛艦「かが」の空母化を図ること、また空母搭載機F35B戦闘機の離着艦訓練を陸上で実施するため、計画地になっている鹿児島県・馬毛島での基地建設準備関連費用(新基地は離着艦訓練基地として在日米軍の共用する)などが積み上げで増えた。

 岸信夫防衛大臣は予算内容について「特に宇宙・サイバー・電磁波といった、新たな領域における能力の獲得・強化、次期戦闘機の開発をはじめとした海空領域における能力、スタンド・オフ防衛能力、総合ミサイル防空能力、機動・展開能力の強化等に必要な経費を計上し、防衛力の強化を図るものになっている」と強調した。
 
 岸大臣は「自衛隊の各種活動を継続的に実施できるよう、弾薬や維持整備など防衛力の持続性・強靭性を強化するとともに、人的基盤の強化や技術基盤の強化等に優先的に取り組むこととしている」と語った。(編集担当:森高龍二)