日本の防衛費は来年度予算概算要求額5兆4898億円と安倍政権発足以来、菅内閣においても増額され、9年連続して過去最高額を更新する拡大路線となった。最新鋭ステルス戦闘機F35A4機とF35B(短距離離陸・垂直着陸)2機の購入と整備用器材など関連費用含む1363億円も入っている。
概算要求額は今年度当初より3.3%増になった。また要求額にはイージス・アショア代替案措置関連経費やオリンピック・パラリンピック開催に対するテロ対策などの関連経費は「事項要求」として金額明示されず、年末の予算編成時に額を示すことになっているため、実際にはさらに膨れ上がることになる。
要求姿勢として(1)宇宙・サイバー・電磁波領域での能力強化のほか海空領域能力、スタンド・オフ防衛能力、総合ミサイル防空能力、機動・展開能力の強化(2)技術基盤の強化、日米同盟・諸外国との安全保障協力強化(3)あらゆる分野での陸海空自衛隊の統合を推進し、組織及び装備を最適化、かつ一層の効率化・合理化を図ることをベースに考えたとしている。
宇宙対応では「宇宙領域での指揮統制を担う部隊を新編し、当該部隊と宇宙作戦隊を隷下部隊に持つ宇宙作戦群(仮称)を新編」また防衛装備庁事業監理官(情報・武器・車両担当)に「宇宙事業管理班(仮称)」を新設し、名称を「事業監理官(宇宙・地上装備担当)(仮称)」に変更する。
サイバー対応では「自衛隊指揮通信システム隊を廃止し、自衛隊サイバー防衛隊(仮称)を新編する」とし「陸海空自衛隊のサイバー関連部隊から要員を移管して、サイバー防衛能力の抜本的強化を図るため、サイバー防護機能の一元化に着手する」としている。
またF35B戦闘機搭載のため「いずも」型護衛艦の飛行甲板上の耐熱塗装等に加え、艦首形状を四角形に変更する費用231億円。次期戦闘機開発費に関連費含め772億円。弾道ミサイル防衛関連経費に1247億円を計上した。(編集担当:森高龍二)